簿記・会計

簿記2級の第3問が解けない|12点を取る処理順と時間配分

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簿記2級の過去問で、第3問だけが毎回途中で終わる。最後まで解いても貸借対照表の合計が合わない。11月の統一試験が近づくほど、この大問への苦手意識が強くなります。

結論から書くと、第3問は満点を狙う大問ではありません。20点のうち12点前後を確実に取り、残りの時間を他の大問に回すのが独学の現実的な戦い方です。点が取れない原因の多くは、決算整理を処理する順番と、第3問に着手する時刻にあります。

この記事では、第3問が解けない原因、処理の順番、90分の時間配分、試験までの5週間の練習法を順にまとめます。

第3問で問われる中身

簿記2級の第3問は、決算整理をまとめて処理する総合問題です。資格スクール各社の分析では、配点は20点とされることが多く、出題は次のどれかの形になります。

  • 損益計算書の作成
  • 貸借対照表の作成
  • 精算表の作成
  • 本支店会計(本支店合併の財務諸表や未達事項の処理)
  • 製造業の会社の決算処理

連結精算表や連結財務諸表が出る回もあります。形式は回ごとに変わりますが、中で問われる処理はほぼ共通です。

**どの形式でも、中身は「決算整理事項を正しく仕訳して、金額を集計する」作業です。**形式が変わって手が止まる人は、形式ごとに別の問題だと思い込んでいることが多いです。

試験の基本情報

試験の枠組みは次のとおりです。

項目内容
試験時間90分
合格基準70%以上(100点満点で70点以上)
大問の数5題以内(商業簿記・工業簿記)
統一試験(ペーパー)第174回が2026年11月15日(日)、第175回が2027年2月28日(日)
ネット試験全国のテストセンターで随時実施

統一試験の申込期間は商工会議所ごとに違います。例として京都商工会議所は、第174回の受付を10月13日(火)までとしています。受験地の商工会議所で締切を確認してください。

最終確認日:2026-10-07(日本商工会議所・京都商工会議所の公開情報)

第3問が解けない3つの原因

第3問で点が伸びない原因は、次の3つにまとまります。

  • 第3問に着手した時点で、残り時間が20分を切っている
  • 決算整理事項を問題文の順に、ばらばらに処理している
  • 1か所の計算ミスで貸借が合わず、見直しで時間を溶かす

着手が遅すぎる

第3問の時間切れは、ほとんどが第2問で起きています。第2問は株主資本等変動計算書・有価証券・固定資産など論点の幅が広く、初見の形式に当たると20分以上かかります。

第1問から順に解くと、第3問に入る時点で残り30分を切ることがあります。工業簿記の第4問・第5問にも時間が要るため、第3問に回る時間はさらに減ります。

処理の順番が決まっていない

決算整理事項は、問題文に10項目前後が並ぶのが一般的です。上から順に処理すると、後の項目で前の金額を直す場面が出てきます。

典型例は次の2つです。

  • 期中の未処理事項で売掛金が増えるのに、先に貸倒引当金を計算してしまう
  • 法人税等を、すべての費用が出そろう前に計算してしまう

直しが発生すると、下書きの数字が二重になり、ミスの原因にもなります。

貸借の不一致で止まる

財務諸表の作成問題では、最後に貸借が合わないと全部が間違っている気がします。そこで1つずつ検算を始めると、10分はすぐに消えます。

採点は解答欄の箇所ごとに行われるのが一般的です。貸借が合わなくても、正しく書けた欄の点は残ります。合わない原因探しより、未記入の欄を埋めるほうが点になります。

決算整理を片付ける順番

処理の順番を固定すると、手戻りが消えます。次の5段階を毎回同じ順で回してください。

段階処理する内容先にやる理由
1期中の未処理事項・誤記の訂正売掛金や現金の残高が変わり、後の計算の土台になる
2本支店の未達事項(本支店会計のとき)本店勘定と支店勘定の残高をそろえる
3売上原価・棚卸減耗損・商品評価損売上総利益が決まり、集計の柱になる
4貸倒引当金・減価償却・有価証券・外貨換算・引当金・経過勘定互いに影響しにくく、どの順でもよい
5法人税等(税効果会計を含む)税引前当期純利益が出そろってから計算する

段階1の未処理事項を最初に

段階1は、問題文の「決算整理事項」の前に書かれていることが多い項目です。「売掛金の回収が未記帳だった」「備品の購入が誤って処理されていた」などが該当します。

ここを最後に回すと、貸倒引当金や減価償却の金額がずれます。未処理事項は、読んだ瞬間に下書きへ仕訳を書くと決めておくと漏れません。

段階4は仕訳の型で処理する

段階4の項目は、仕訳の型が決まっています。2級でよく出る型は次のとおりです。

  • 貸倒引当金は差額補充法。期末の売上債権に設定率を掛け、残高との差額を繰り入れる
  • 減価償却は期中取得なら月割。定率法や生産高比例法も出る
  • 満期保有目的債券は償却原価法(定額法)で、差額を有価証券利息に加える
  • その他有価証券は時価に評価替えし、差額は純資産の評価差額金にする
  • 外貨建ての売掛金・買掛金は決算日のレートで換算し、差額を為替差損益にする
  • 前払・前受・未払・未収の経過勘定を計上する

1項目ずつ下書きに仕訳を書き、勘定科目の横に増減の金額をメモしていきます。頭の中で集計しないことが、計算ミスを減らす一番の方法です。

段階5の法人税等は最後

法人税等は、税引前当期純利益に税率を掛けて出すのが基本です。問題によっては、課税所得の調整や税効果会計の仕訳が加わります。

仮払法人税等がある場合は、差額を未払法人税等にします。税効果の考え方があやふやな人は、簿記2級の税効果会計が苦手な人へ|独学でわかる考え方と解き方で一時差異の区別から確認してください。

90分の時間配分と解く順番

第3問に25分以上を残すには、解く順番を変えるのが手早い方法です。独学者がとりやすい順番の一例を示します。

順番大問目安の時間
1第1問(仕訳)15分
2第4問(工業簿記)18分
3第5問(工業簿記)10分
4第3問(決算の総合問題)27分
5第2問(個別論点)15分
6見直し5分

工業簿記は解き方が決まった問題が多く、短時間で点を固めやすい大問です。先に済ませると、残りの時間配分が読みやすくなります。

第2問を最後に回すのは、初見の形式で時間を溶かす危険が一番大きいからです。第2問で詰まっても、それまでに取った点は残ります。

簿記2級 | 90分の使い方

解く順番で第3問に残る時間が変わる

どちらが合うかは工業簿記の得意・不得意で変わります

第3問に残る時間初見の第2問で崩れる危険向く人
第1問から順番どおり 1→2→3→4→5 △ 第2問しだいで20分を切る × 詰まると後ろが全部押す △ 第2問の論点に自信がある人
仕訳と工業簿記を先に 1→4→5→3→2 ○ 25分前後を確保しやすい ○ 最後なので影響が小さい △ 工業簿記を短時間で解ける人
  • ※時間は目安です。過去問で自分の所要時間を測ってから決めてください。
  • ※工業簿記が苦手な人は、第3問を先にする順番も選択肢です。

コツコツ資格

工業簿記に20分以上かかる人は、この順番が合いません。その場合は第1問、第3問、第4問、第5問、第2問の順も試してください。工業簿記が不安な人は、簿記2級の工業簿記が苦手な人へ|独学での克服法と順番で先に土台を固めるのが近道です。

12点を取りにいく解き方

第3問の目標は20点中12点前後、つまり6割です。合格ラインの70点から逆算すると、次のような配分が独学者の目安になります。

大問配点の目安目標点
第1問20点16点
第2問20点10点
第3問20点12点
第4問28点22点
第5問12点10点
合計100点70点

配点はスクール各社の分析によるもので、回によって変わる可能性があります。目標点は当サイトが置いた一例で、得意分野に合わせて動かしてかまいません。

簡単な欄から埋める

財務諸表の解答欄には、決算整理と関係なく試算表の金額をそのまま写せる欄があります。資本金・利益準備金・売上・支払利息などが典型です。

最初の3分で写せる欄を全部埋めると、部分点の土台ができます。決算整理が途中で終わっても、写した欄の点は残ります。

時間がかかる論点は後回し

1項目に3分以上かかりそうな論点は、印をつけて飛ばします。2級でよく時間を取られるのは次の論点です。

  • 本支店会計の未達事項が多いとき
  • 有価証券の償却原価法で月数が半端なとき
  • 税効果会計が複数の項目にまたがるとき

飛ばした論点は、他の欄を埋め終えてから戻ります。当期純利益や法人税等は、飛ばした論点が合わないと一緒にずれます。ここは捨てる前提で構いません。

当期純利益の欄は最後に考える

当期純利益は全項目の結果なので、1か所ずれると合いません。この欄の点を取りにいくより、個別の費用・収益の欄を正確に埋めるほうが得点は安定します。

試験日までの5週間の練習法

2026年10月7日から11月15日の統一試験まで、残りは約5週間です。第3問の練習は、通しで解く回数より、処理順を体に入れる回数を重視します。

時期やること1日の目安
1週目決算整理の仕訳だけを型ごとに20題ずつ60分
2週目第3問だけを形式別に解く(財務諸表・精算表・本支店)60分
3週目第3問を27分で切って解く練習を毎日1題45分
4週目過去問・予想問題を90分通しで週3回90分
5週目間違えた論点の仕訳だけを解き直す45分

1週目は仕訳の型を固める

第3問が解けない人の多くは、決算整理の仕訳そのものに迷いがあります。総合問題を解く前に、貸倒引当金・減価償却・有価証券などを型ごとに解き、1題1分で書ける状態にします。

3週目からは時間を切る

27分で手を止める練習をすると、どこを飛ばすかの判断が速くなります。時間を切らずに最後まで解くと、本番でも時間切れが再発します。

働きながらの時間の作り方

平日に60分取れない人は、仕訳の型だけを通勤時間に回します。第3問の通し演習は下書きを広げる必要があるため、週末にまとめるほうが効率的です。

全体の勉強時間の組み立ては、日商簿記2級は独学で受かる?勉強時間250〜350時間と4〜6ヶ月の計画にまとめています。

第3問の練習で人を選ぶ点

第3問の練習は、まとまった時間と机が要ります。下書き用紙を広げて20分以上集中できる時間がないと、通し演習はできません。

独学で解説を読んでも処理の流れがつかめない人もいます。その場合は、テキストの付属動画や市販の解説講義など、手を動かす様子を見られる教材を足すと理解が早まります。

ネット試験を選ぶ場合は、解答を画面に入力します。下書きは配られる計算用紙に書くため、紙の試験と同じ処理順がそのまま使えます。当日の流れは簿記2級ネット試験(CBT)当日の流れと注意点|独学対策を参照してください。

よくある質問

Q. 第3問は捨ててもいいですか

丸ごと捨てるのはおすすめしません。試算表の金額を写すだけで取れる欄があり、着手しないと確実に取れる点まで失います。最低でも写せる欄を埋め、6割を狙ってください。

Q. 本支店会計が出たら飛ばすべきですか

未達事項の処理を先に済ませれば、残りは通常の決算整理と同じです。未達事項が5項目を超えるなど重いときは、他の大問を先に固めてから戻る判断もあります。

Q. 連結会計が第3問で出たらどうしますか

連結は第2問で出ることが多い論点ですが、第3問で出る回もあります。投資と資本の相殺消去、のれんの償却、非支配株主持分の3つを先に固めると、部分点は取れます。苦手な人は簿記2級の連結会計が苦手な人へ|独学での攻略法と捨てる判断で捨てる範囲を決めておいてください。

Q. 貸借が合わないときは何分まで探しますか

見直しの5分を超えて探すのは損です。未記入の欄がないかを先に確認し、その後に残った時間で金額の大きい項目から検算します。

Q. 11月の統一試験に間に合わない気がします

統一試験の次は2027年2月28日(日)の第175回、ネット試験なら随時受験できます。11月に間に合わせる場合は、第3問の目標を12点に据え、仕訳と工業簿記で点を固めるのが現実的な線です。

まとめ

簿記2級の第3問で押さえる点は5つです。

  • 第3問は満点ではなく、20点中12点前後を狙う
  • 決算整理は「未処理事項、未達事項、売上原価、個別の整理、法人税等」の順に固定する
  • 解く順番を変え、第3問に25分以上を残す
  • 試算表から写せる欄を最初の3分で埋める
  • 練習は27分で手を止める形にして、飛ばす判断を速くする

次の過去問演習では、時間を測りながら第1問、第4問、第5問、第3問、第2問の順で解いてみてください。第3問に入る時刻が見えると、どこで時間を使いすぎているかがわかります。

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※本記事は情報提供を目的としたもので、試験の合格や学習の成果を保証するものではありません。試験制度・料金は変更される場合があるため、受験前に必ず公式サイトでご確認ください。