簿記2級の仕訳が覚えられない|第1問で12点を取る覚え方と順番
簿記・会計

簿記2級の仕訳が覚えられない|第1問で12点を取る覚え方と順番

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簿記2級のテキストを1周したのに、問題集の仕訳になると手が止まる。有価証券、リース、合併、外貨と、覚えたはずの処理が混ざって出てこない。3級では仕訳に困らなかった人ほど、2級でこの壁に当たります。

結論から書くと、第1問は5問中3問、12点を確実に取れば合格ラインに届く組み立てが現実的です。仕訳が覚えられない原因の多くは記憶力ではなく、論点を1つずつ順番に暗記しようとしている点にあります。論点を5つの束に分け、束ごとに「何が増えて何が減るか」で覚えると、混ざりにくくなります。

第1問は仕訳5問で20点

簿記2級の第1問は、商業簿記の仕訳問題です。資格スクール各社の分析では、仕訳5問・1問4点・合計20点の形が標準とされています。勘定科目は問題に示された候補から選ぶ形式で、ネット試験では画面のプルダウンから選びます。

日本商工会議所の公式サイトでは、2級の試験時間は90分、合格基準は70%以上と案内されています。100点満点なら70点が合格ラインです。

項目内容
試験時間90分
合格基準70%以上
第1問商業簿記の仕訳5問・20点(スクール各社の分析による標準形)
受験方式統一試験(筆記)とネット試験(随時)
次の統一試験2026年11月15日(日)
受験料5,500円(ネット試験は別途事務手数料がかかる場合あり)
最終確認日:2026-10-12。申込方法と日程は受験地の商工会議所によって異なるため、受験前に公式サイトで確かめてください。

**第1問の仕訳力は、第3問の決算整理と第2問の個別論点にもそのまま効きます。**第1問だけの対策と考えず、商業簿記60点の土台づくりと捉えると、時間をかける理由がはっきりします。

仕訳が覚えられない3つの原因

覚えられない原因は、次の3つに分かれます。自分がどれに当てはまるかで、直し方が変わります。

  1. 論点の数に押されている:2級の商業簿記は、3級より論点が大きく増えます。テキストの順番どおりに1つずつ覚えると、後半を覚えるころに前半が抜けます。
  2. 似た処理を別々に覚えている:売買目的有価証券とその他有価証券、圧縮記帳とリースのように、似た場面の処理を独立した暗記事項として扱うと混ざります。
  3. 勘定科目の名前だけで覚えている:「建設仮勘定」「契約負債」などの名前を覚えても、資産か負債かが曖昧だと借方と貸方が逆になります。

3つ目は3級の基本に戻れば直せます。資産・負債・純資産・収益・費用の5つのうち、どこに属する科目かが分かれば、増えたときにどちら側に書くかは自動で決まります。3級の仕訳でつまずいた経験がある人は、簿記3級の仕訳が覚えられない人へ|丸暗記しない覚え方で5つの区分を確認してから戻ると、2級の暗記量が減ります。

論点を5つの束に分ける

2級の仕訳は、ばらばらに覚えるより束で覚えるほうが定着します。束にすると、似た処理の違いを並べて比べられるからです。ここではテキストでよく扱われる論点を、次の5つに分けます。

仕訳の論点を5つの束に分けて整理するイメージ
束主な論点共通する考え方
① 有価証券売買目的・満期保有目的・子会社株式・その他有価証券持つ目的で期末の評価が変わる
② 固定資産割賦購入・建設仮勘定・圧縮記帳・リース・ソフトウェア取得・使用・売却の3場面で分ける
③ 純資産株式の発行・剰余金の配当と準備金・合併会社のお金の出どころを分ける
④ 売上と債権収益認識(契約資産・契約負債)・電子記録債権・貸倒れ・引当金売上を計上する時点と、代金の回収を分けて考える
⑤ その他外貨建取引・税効果会計・本支店会計単独の考え方を先に理解する

束ごとに覚えると、「売買目的は期末に時価、満期保有は償却原価」のように、違いを1行で言える状態を作れます。1つの束を3日で回し、5つの束を約2週間で一巡させるのが、働きながらでも無理の少ないペースです。

税効果会計は⑤に入れていますが、仕訳の形より考え方の理解が先にくる論点です。詰まったら簿記2級の税効果会計が苦手な人へで「会計と税務のズレ」から確認してください。

先に覚える束と後回しにする束

全部を同じ重さで覚える必要はありません。3級からのつながりがあり、覚える量の少ない束から先に固めると、第1問の得点が早く安定します。

簿記2級 | 第1問の仕訳

論点の束ごとの覚えやすさと順番

3級とのつながりと覚える量で先後を決めます

3級とのつながり覚える量着手の順番
④ 売上と債権 貸倒れ・引当金など ○ 3級の延長が多い △ 収益認識は新しい ○ 1番目
② 固定資産 減価償却の延長 ○ 減価償却とつながる △ 場面が多い ○ 2番目
① 有価証券 目的別の評価 △ 3級は売買のみ △ 4区分を比べる △ 3番目
③ 純資産 配当・合併 △ 3級は資本金の基本のみ △ 計算の型がある △ 4番目
⑤ その他 外貨・税効果・本支店 × ほぼ新しい論点 △ 考え方の理解が先 × 最後
  • ※順番は独学者向けの目安です。出題の多さはスクールの過去問分析でも回によって変わります
  • ※後回しは捨てるという意味ではありません。⑤も第3問で使うため、一巡は必要です

コツコツ資格

④と②を先にする理由は、3級の貸倒れや減価償却の知識をそのまま使えるからです。①と③は区分や計算の型を覚えれば得点源になります。⑤は外貨建取引の換算レートや税効果の考え方を理解するまで時間がかかるため、最後に回します。

時間が足りないときは、出題されそうにない論点を探して削るより、自分が直前までに取れるようになる論点を、確実に取れる状態にするほうが点につながります。

1日15分で回す仕訳の覚え方

仕訳は、まとまった時間より毎日の短い反復で定着します。働きながらの独学なら、1日15分を次の手順で回します。

1日15分の短い時間で仕訳を復習する社会人の場面
  1. 取引を声に出して言い換える:「建物を割賦で買った」なら「建物(資産)が増えて、未払金(負債)が増えた。利息分は前払利息」と、増減と区分で言います。
  2. 仕訳は書かずに頭で組む:スラスラ出る問題は書かずに答えを確認するだけにします。書くのは間違えた問題だけです。
  3. 間違えた問題に印をつける:問題集の番号の横に、間違えた日付を書きます。同じ問題に印が2つ付いたら、その論点の束をテキストで読み直します。
  4. 科目名は略字で書く:売買目的有価証券を「売有」と書くなど、自分が分かる略字で書く時間を減らします。

2と4は、どちらも復習の速さを上げるための工夫です。復習が速くなると、同じ15分で回せる問題数が増えます。

通勤中にスマートフォンで仕訳問題を解く方法もあります。ただし勘定科目の候補から選ぶ練習だけだと、本番の画面とは違う形式になることがあります。週に1回は、問題集で候補リストから選んで答える形の練習を入れてください。

時間配分と5問中3問の取り方

第1問にかける時間は、90分のうち15分前後が一つの目安です。第3問の決算整理と、工業簿記の第4問・第5問に時間を残すためです。

解くときは、次の順で進めます。

  • 5問すべての問題文に先に目を通す:一目で解ける問題から手をつけます。
  • 分からない問題は1分で切る:問題番号に印をつけて次に進み、他の大問を解き終えてから戻ります。
  • 計算が重い問題は後回し:外貨の換算や合併の計算は、手が止まりやすいので最後にします。

5問のうち1〜2問は、見たことのない形で出されることがあります。クレアール公認会計士講座の第150回2級の振り返りコラムでも、第1問は5問中2問を死守し、もう1問を加えて3問取れれば十分という見方が示されています。第1問で満点を狙うより、12点を落とさないことを優先してください。第1問で8点に終わっても、第2問以降で挽回できる配点です。

第3問の処理順と時間配分は、簿記2級の第3問が解けない|12点を取る処理順と時間配分にまとめています。第1問と第3問の時間を合わせて決めておくと、本番で迷いません。

統一試験までの5週間計画

11月15日(日)の統一試験まで、10月12日時点で約5週間あります。テキストを1周済ませた人向けに、仕訳を中心にした計画を組むと次のようになります。

期間やること目安
1週目④売上と債権、②固定資産の仕訳を問題集で一巡平日15分+休日1時間
2週目①有価証券、③純資産の仕訳を一巡。違いを1行で言える表を作る平日15分+休日1時間
3週目⑤その他を一巡。印が2つ付いた問題だけをまとめて解き直す平日20分+休日1.5時間
4週目過去問・予想問題の第1問を15分で解く練習を毎日1回平日20分+休日2時間
5週目予想問題を90分通しで2〜3回。第1問は間違えた論点だけ復習休日に通し演習

ネット試験は随時受験できます。統一試験に間に合わないと感じたら、11月を見送ってネット試験で日程を選ぶ方法もあります。全体の勉強時間と月ごとの計画は日商簿記2級は独学で受かる?勉強時間250〜350時間と4〜6ヶ月の計画で確認できます。

独学が向かない人もいる

仕訳の暗記は独学で進めやすい分野ですが、合わない人もいます。

  • 解説を読んでも取引の流れが想像できない人:リースや合併は、取引の全体像が見えないと仕訳が丸暗記になります。
  • 2週間たっても同じ論点で印が増え続ける人:独学では「なぜこの科目になるか」を聞ける相手がいません。
  • 平日にテキストを開く時間がほぼ取れない人:講義動画をスマートフォンで見られる教材のほうが続きやすい場合があります。

逆に、3級の仕訳が問題なく解けていて、2級の論点だけが混ざっている人は、上の束の覚え方と問題集の反復で十分に対応できます。苦手な束だけを講義で補い、残りは独学で進める組み合わせもあります。

簿記を扱う金融・会計系のeラーニングを使えば、苦手な束だけを講義で確認できます。苦手な束を独学で抱え込みたくない社会人は、内容を確かめたうえで検討してください。

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よくある質問

Q. 2級の仕訳は全部でいくつ覚えればいいですか? 数を決めて覚える方法はおすすめしません。問題集の仕訳問題を一巡し、印が付いた問題だけを繰り返すほうが、必要な分だけ覚えられます。

Q. 3級の仕訳があやふやでも2級に進んでいいですか? 資産・負債・純資産・収益・費用の区分が言えるなら進めます。区分があやふやな場合は、3級の仕訳を1週間ほど復習してから戻るほうが、2級の暗記量が減ります。

Q. 第1問に部分点はありますか? 採点の基準は公表されていません。1問の中で一部の行だけが合っていても点になるとは考えず、1問ずつ完全に合わせる練習をしてください。

Q. ネット試験と統一試験で第1問の形は違いますか? 商工会議所や資格スクールの案内では、ネット試験と統一試験で試験時間・出題範囲・合格基準は同じとされています。ネット試験では勘定科目を画面で選ぶため、操作に慣れておくと時間の節約になります。

Q. 仕訳が覚えられないまま本番を迎えそうです。 第1問は12点、⑤の束は1問落としてもよい、と決めて臨んでください。残りの時間を第3問と工業簿記に回すほうが合計点は伸びます。本番で届かなかった場合の立て直し方は簿記2級のネット試験に落ちた|再受験はいつ?論点別の立て直し方にまとめています。

まとめ

  • 第1問は仕訳5問・20点。5問中3問の12点を確実に取る組み立てにする
  • 覚えられない原因は、論点の数・似た処理の混同・科目の区分のあいまいさの3つ
  • 論点を5つの束に分け、④売上と債権と②固定資産から先に固める
  • 1日15分、取引を増減と区分で言い換え、間違えた問題だけを書いて覚える
  • 第1問は15分前後で切り上げ、第3問と工業簿記に時間を残す

11月15日の統一試験まで約5週間あります。今日は束④の問題を5問だけ解き、間違えた番号に日付を書くところから始めてください。

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参考にした情報

※本記事は情報提供を目的としたもので、試験の合格や学習の成果を保証するものではありません。試験制度・料金は変更される場合があるため、受験前に必ず公式サイトでご確認ください。