簿記・会計

簿記2級の税効果会計が苦手な人へ|独学でわかる考え方と解き方

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「簿記2級の商業簿記、他は何とかなったのに税効果会計だけ意味がわからない」——独学でここに来て手が止まる人はとても多いです。税効果会計はもともと簿記1級の範囲だった論点で、2級のなかでは理屈が一番むずかしいと言われます。

先に結論をお伝えすると、税効果会計は「会計と税務のズレを調整する仕組み」だと理解すれば、仕訳のパターンはむしろ少なく、独学でも十分に得点源にできます。 丸暗記でつまずいている人ほど、意味からたどると一気にラクになります。この記事では、税効果会計の考え方・繰延税金資産の意味・仕訳の型・解く手順を、独学者がつまずかない順番で整理します。

本記事は特定の教材や講座の受講を保証・断定するものではなく、独学の進め方を客観的に解説するものです。試験制度は変わることがあるため、最終的には公式(日本商工会議所)でご確認ください。

先に結論:税効果会計は「税金の前払い・未払いを表す」仕組み

つまずいている人が最初に押さえるべき核だけ、先に置きます。

  • 会計と税務では利益の計算がズレる:会計上の「利益」と、税金を計算するための「所得」は計算ルールが違うため金額がズレます。
  • 税効果会計はそのズレを調整する:このズレのせいで、会計上の利益と税金の金額がちぐはぐに見えてしまうのを、期間的に対応させて見やすくするのが税効果会計です。
  • 繰延税金資産=税金の前払い:将来、税金が減る効果を先に資産として計上したもの。「前払いした税金」とイメージすると腹落ちします。
  • 繰延税金負債=税金の未払い(後払い):将来、税金が増える効果を先に負債として計上したものです。

「なぜこんなことをするのか」がわからないまま仕訳を覚えると必ず崩れます。目的(ズレの調整)から入るのが独学突破の近道です。

そもそも、なぜ会計と税務でズレるのか

簿記の勉強で扱う「利益」は会計のルールで計算した金額です。一方、税金は税法のルールで計算した「課税所得」に対してかかります。この2つはルールが違うため、同じ会社でも金額がズレます。

たとえば、会計上は費用として認められても、税務上はその年に費用と認められない(=いったん所得に足し戻される)ものがあります。すると「会計上の利益は少ないのに、税金は多め」という、ちぐはぐな見え方が生まれます。このちぐはぐを調整して、利益と税金を対応させて見やすくするのが税効果会計です。

一時差異と永久差異を分ける(ここが最初の関門)

税効果会計で最初に混乱するのが、ズレの「種類」です。ズレには2つあります。

  • 一時差異:いまはズレているが、将来いつか解消されるズレ。税効果会計の対象になります(例:貸倒引当金の繰入超過、減価償却の超過など)。
  • 永久差異将来も永久に解消されないズレ。税効果会計の対象になりません(例:交際費の損金不算入など)。

税効果会計 | ズレの種類

一時差異と永久差異のちがい

税効果会計の対象になるのは『いつか解消される』一時差異だけです

将来解消されるか税効果会計の対象繰延税金資産・負債
一時差異 対象になる 将来いつか解消される 対象になる 計上する
永久差異 対象外 × 永久に解消されない × 対象にならない × 計上しない
  • ※2級では「一時差異=税効果の対象」と割り切って解く場面が多いですが、永久差異が混ざる問題も出るため区別は必ず押さえましょう。

コツコツ資格

「一時差異だけが税効果会計の対象」——まずこの一線を引けるようになると、問題が一気に解きやすくなります。

仕訳の型はたった2パターン

意味がつかめれば、実は覚える仕訳の型はほとんどありません。基本は次の2つです。

  • 将来、税金が減るとき(将来減算一時差異)
    • 借方:繰延税金資産/貸方:法人税等調整額
    • 「税金を前払いした(将来減る)」ので資産が増えます。
  • 将来、税金が増えるとき(将来加算一時差異)
    • 借方:法人税等調整額/貸方:繰延税金負債
    • 「税金を後払いする(将来増える)」ので負債が増えます。

2級で出やすいのは圧倒的に将来減算(繰延税金資産)側です。貸倒引当金の繰入超過や減価償却超過など、「会計では費用にしたのに税務で今は認められず、将来認められる」ケースが典型です。まずは繰延税金資産のパターンを完璧にすることを優先しましょう。

金額は「一時差異の金額 × 法定実効税率」で計算します。税率は問題文で与えられるので、そこを取り違えないよう線を引いて確認する習慣をつけると安全です。

独学での解く手順(この順番で処理する)

本番で迷わないよう、処理の順番を固定しておくと安定します。

  1. 差異が一時差異か永久差異かを見分ける(永久差異なら税効果は無視)
  2. 将来減算か将来加算かを判定する(税金が将来減るか増えるか)
  3. 金額を計算する(一時差異 × 実効税率)
  4. 仕訳を切る(減算=繰延税金資産/加算=繰延税金負債)
  5. 法人税等調整額で損益計算書を調整する

この5ステップを、同じ問題集で何度も反復して手が勝手に動くまで固めます。税効果会計は理解7割・反復3割で、意味さえ通れば暗記量は多くありません。

つまずきポイント・人を選ぶ点

  • 丸暗記だと必ず崩れる:仕訳だけ覚えると、少しひねられただけで手が止まります。「なぜ資産(負債)になるのか」を言葉で説明できるかを基準にしましょう。
  • 税率の与えられ方に注意:問題文で税率が変わる出題もあります。数字を思い込みで進めないこと。
  • 連結と混ざると難度が上がる:連結会計のなかで税効果が出ると一気に複雑になります。まずは個別(単独)で型を固めてから連結に進むのが安全です。

理屈の理解に時間がかかりそうで不安な人は、動画やeラーニングで「なぜズレるのか」を耳から補うと、独学の遠回りを減らせます。

独学が不安なら通信講座(eラーニング)も選択肢

税効果会計は理屈が最難関の論点なので、テキストの文字だけでは腹落ちしにくい人もいます。そういう場合は、簿記・会計に対応したeラーニングで、講義動画から理解を補う方法があります。「独学のテキストで詰まった一点だけを動画で理解したい」という使い方にも向いています。

自分のペースで理屈から学びたい人は、金融・会計系のeラーニング教材もチェックしてみてください。

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よくある質問(FAQ)

Q. 税効果会計は捨てても2級に受かりますか? A. 出題頻度が高い論点なので、丸ごと捨てるのはおすすめできません。ただし型は少ないので、意味から理解すれば意外と短期間で得点源にできます。

Q. 繰延税金資産と繰延税金負債、どちらを優先して覚える? A. 2級では繰延税金資産(将来減算)側の出題が多いので、まずそちらを完璧にしましょう。

Q. 数字だけ合っていれば理解は後回しでいい? A. 一時的には点が取れても、少しひねられると崩れます。「なぜその仕訳になるか」を説明できる状態を目指すほうが結局は近道です。

まとめ:意味からたどれば税効果会計は怖くない

簿記2級の税効果会計は、「会計と税務のズレを調整する仕組み」という目的からたどれば、覚える仕訳の型は多くありません。カギは、一時差異と永久差異を見分けること、そして繰延税金資産=税金の前払いというイメージを持つことです。

丸暗記でつまずいている人ほど、意味に立ち返ると一気にラクになります。理屈の理解が不安なら、eラーニングで講義動画から補うのも有効な手です。焦らず、型が手に馴染むまで反復してみてください。

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※本記事は情報提供を目的としたもので、試験の合格や学習の成果を保証するものではありません。試験制度・料金は変更される場合があるため、受験前に必ず公式サイトでご確認ください。

参考にした情報

  • 日本商工会議所(簿記検定 公式)
  • 各種簿記学習サイトの税効果会計解説(2026-07-23確認)