FP2級のリスク管理が苦手|保険を覚えられない人の5つの順番
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FP2級のリスク管理が苦手な人は、保険の商品名と税金の数字を同じ棚に詰め込んでいます。生命保険と損害保険では、問われる数字も税金の考え方も別物です。
リスク管理は「契約者保護」「生命保険の商品」「生命保険の税金」「損害保険の商品」「損害保険の税金」の5つに分け、この順に覚えると整理できます。 最も点差がつく税金のパートは、契約者・被保険者・受取人の組み合わせ3パターンでほぼ決まります。
この記事では、5つの分け方と各パートで落とせない数字、4週間の立て直し手順を順にまとめます。
覚えられない原因は人の取り違え
リスク管理で点が取れない原因は、保険に出てくる「人」を取り違えることです。保険には契約者・被保険者・受取人の3人が登場します。誰が誰かを決めずに問題文を読むと、税金の種類も控除の対象も選べません。
つまずきやすい点は次の3つです。
- 契約者・被保険者・受取人の組み合わせで、所得税・相続税・贈与税が入れ替わる
- 生命保険料控除(最高4万円)と地震保険料控除(最高5万円)の上限が混ざる
- 地震保険の「30〜50%」と、損害区分の支払割合が入れ替わる
もうひとつの原因は範囲の広さです。生命保険・損害保険・第三分野の保険に、個人と法人の税金まで入ります。オンスク.JPのFP2級講座では、リスク管理は9講義です。講義数はライフプランニング(17講義)の約半分ですが、1講義あたりの論点が多い分野です。
学科での位置と目標点
日本FP協会の試験要綱によると、2級の学科試験は120分・60問の多肢選択式で、36点以上が合格です。出題範囲は6分野で、リスク管理はそのひとつです。紙の試験だった時期の公開問題では、各分野10問ずつの構成が一般的でした。
リスク管理が10問前後なら、目標は6〜7問です。生命保険の税金で2問、損害保険の商品と税金で2問、契約者保護と生命保険の商品で2問を取れば届きます。
| 区分 | 内容 |
|---|---|
| 学科試験 | 120分・60問・多肢選択式・36点以上で合格 |
| 実施方式 | CBT(全国の会場で随時受検) |
| 法令基準日 | 2026年度の試験は2026年4月1日 |
| 2026年度の残りの休止期間 | 2026年12月28日〜2027年1月5日、2027年3月25日〜3月31日 |
(最終確認日:2026-10-02。試験の形式・休止期間は変更される場合があるため、受検前に日本FP協会または金融財政事情研究会の公式サイトで確認してください)
リスク管理は捨てる分野ではありません。実技試験でも、保険証券を読んで保険金額や税金を答える問題が出るためです。
5つに分けて覚える順番
最初に、リスク管理の論点を5つのパートに仕分けます。オンスク.JPのFP2級講座の講義名を当てはめると、次のようになります。
| パート | 含まれる講義 | 覚えるものの中心 |
|---|---|---|
| 契約者保護 | 契約者保護に関する制度 | 破綻したときの補償割合、クーリング・オフ |
| 生命保険の商品 | 生命保険商品の種類と内容、第3分野の保険 | 定期・終身・養老の違い、医療保険の給付 |
| 生命保険の税金 | 生命保険に関する税金(個人・法人) | 保険料控除、保険金の課税3パターン |
| 損害保険の商品 | 火災・地震、自動車・傷害、賠償責任 | 地震保険の割合、自賠責の範囲 |
| 損害保険の税金 | 損害保険商品に関する税金 | 地震保険料控除、非課税の保険金 |
問題を解く前に「どのパートの問題か」と「3人は誰か」を先に決めると、選ぶ答えの候補が絞れます。
覚える順番は、契約者保護→生命保険の商品→生命保険の税金→損害保険の商品→損害保険の税金が進めやすいです。商品の仕組みがわかってから税金に進むと、満期保険金と死亡保険金の違いが説明できます。
パート1 契約者保護は2つの数字
契約者保護のパートは、「90%」と「8日」の2つの数字から固めます。
生命保険契約者保護機構は、生命保険会社が破綻したときに契約を守る仕組みです。金融庁の資料によると、死亡保険や生存保険は、破綻時点の責任準備金等の原則90%までが補償されます。ここで90%なのは保険金ではなく責任準備金である点が、選択肢でよく問われます。高予定利率契約は、90%よりさらに低い補償率になります。
クーリング・オフは、申込日と契約内容の書面を受け取った日のうち、遅い日から8日以内に申し出る制度です。保険期間が1年以下の契約や、医師の診査を受けた後などは対象外になります。
パート2 生命保険の商品は3つの基本形
生命保険の商品は、定期・終身・養老の3つを基本形として覚えます。
- 定期保険:一定期間の死亡を保障する。満期保険金はない
- 終身保険:一生涯の死亡を保障する。解約返戻金がある
- 養老保険:一定期間の死亡を保障し、満期まで生きると満期保険金が出る
**「満期保険金があるのは養老だけ」**と言えれば、商品の問題の半分は選択肢を減らせます。収入保障保険や逓減定期保険は、定期保険の受け取り方を変えた形として整理します。
第3分野の保険は、医療保険・がん保険・介護保険などです。がん保険には、契約してから一定期間は保障されない待ち期間(免責期間)があります。期間の長さは商品ごとに決まっているため、問題文の条件で判断します。
パート3 生命保険の税金は3人の組み合わせ
生命保険の税金は、契約者・被保険者・受取人の組み合わせで決まります。保険料を払った人と受け取った人の関係で税金が変わる、と考えると覚えやすくなります。
FP2級 | リスク管理
死亡保険金・満期保険金にかかる税金
契約者=保険料を払う人として考えます
| 契約者と受取人の関係 | かかる税金 | 試験での目印 | |
|---|---|---|---|
| 契約者=受取人 自分で払って自分で受け取る | ○ 同じ人 | △ 所得税・住民税 | ○ 一時金なら一時所得 |
| 契約者=被保険者 受取人は別の人 | △ 払った人が亡くなった | △ 相続税 | ○ 非課税枠は500万円×法定相続人の数 |
| 3人ともすべて別 契約者・被保険者・受取人が異なる | × 払っていない人が受け取る | × 贈与税 | △ 税負担が重くなりやすい |
- ※○△×は税負担の目安で、有利・不利を断定するものではありません。個別の税額は税理士または税務署に確認してください
コツコツ資格
**「自分で払えば所得税、亡くなった人が払えば相続税、他人が払えば贈与税」**と1行で言えるようにします。入院給付金や手術給付金など、体の損害に対して支払われる給付金は非課税です。
生命保険料控除は区分ごとに最高4万円
国税庁によると、2012年1月1日以後の契約の生命保険料控除(所得税)は次の通りです。
- 一般・介護医療・個人年金の3区分で、それぞれ最高4万円
- 3区分の合計の上限は12万円
- 2026年分に限り、23歳未満の扶養親族がいる人は、一般生命保険料控除の上限が6万円になる特例がある(合計12万円は変わらない)
特例は2026年分の所得税の話です。試験で出るかどうかは、受検期間に対応した年度版テキストの記載で確認してください(最終確認日:2026-10-02)。
法人の保険は、保険料を資産に計上するか損金にするかの仕訳の型を覚えます。分量が多い論点なので、個人の税金で点を取れるようになってから手を付けても間に合います。
パート4 損害保険の商品は「何を補う保険か」
損害保険の商品は、「家」「車」「人への賠償」の3つで分けます。
火災保険と地震保険
地震による火災は、火災保険だけでは補償されません。地震保険は単独では入れず、火災保険に付けて契約します。
財務省によると、地震保険の保険金額は次の範囲で決めます。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 保険金額の範囲 | 火災保険の保険金額の30〜50% |
| 上限 | 建物5,000万円、家財1,000万円 |
| 全損 | 保険金額の100%(時価額が限度) |
| 大半損 | 保険金額の60% |
| 小半損 | 保険金額の30% |
| 一部損 | 保険金額の5% |
**「付けられるのは30〜50%、払われるのは100・60・30・5」**と、2つの数字の列を分けて覚えます。両方に30が出てくるため、どちらの30かを問題文で確かめます。
失火責任法では、軽い過失による失火で隣家を焼いても、損害賠償の責任を負いません。重大な過失がある場合は責任を負います。借家人が借りた部屋を焼いた場合は、家主に対して契約上の責任を負う点が問われます。
自動車保険と賠償責任保険
自賠責保険は、対人賠償だけを補償する強制保険です。物の損害や自分のけがは補償されないため、任意の自動車保険で補います。
個人賠償責任保険は、日常生活で他人にけがをさせた場合などの賠償を補償します。仕事中の事故は対象外で、事業者向けの賠償責任保険で備えます。
パート5 損害保険の税金は控除と非課税
損害保険の税金は、地震保険料控除と非課税の保険金の2つを覚えます。
国税庁によると、地震保険料控除(所得税)は最高5万円です。火災保険の保険料は、地震保険料控除の対象になりません。一定の条件を満たす古い長期損害保険契約だけは、経過措置で最高1万5,000円の控除が残っています。
家が焼けたときの火災保険金や、けがで受け取る傷害保険の保険金は、損害を埋めるお金なので非課税です。生命保険は4万円、地震保険は5万円と、控除の上限を対で言えるようにします。
4週間の立て直しスケジュール
リスク管理だけを立て直すなら、4週間が目安です。平日30〜45分、休日に1〜2時間を取れる社会人を想定しています。理解の速さには個人差があるため、進まない週は次の週に回してください。
| 週 | やること | 終わりの目安 |
|---|---|---|
| 1週目 | 5パートの仕分け、契約者保護、生命保険の商品 | 90%と8日、満期保険金がある商品を言える |
| 2週目 | 生命保険の税金(個人) | 3人の組み合わせから税金の種類を選べる |
| 3週目 | 損害保険の商品と税金 | 30〜50%と100・60・30・5を表を見ずに書ける |
| 4週目 | 法人の保険と、分野別の過去問演習 | 分野別の問題で6割を超える |
2週目の税金は、問題を解く前に余白へ「契約者・被保険者・受取人」の3人を書き出してください。3人を書いてから選択肢を読むと、所得税と相続税の取り違えが減ります。
4週目の過去問演習では、間違えた問題の横に「どのパートか」を書き込みます。同じパートの間違いが続くなら、そのパートの表だけを作り直せば足ります。
独学で止まったときの選択肢
表を作っても保険の税金や地震保険の数字が頭に入らない場合は、講義動画で一度説明を聞く方法があります。3人の関係は、図で流れを見ながら聞くほうが早く理解できる人もいます。分野別の正答率が上がっている人には不要な出費です。
オンスク.JPは月額制のオンライン講座で、FP2級講座のリスク管理の章は9講義です。契約者保護から始まり、生命保険の商品と税金(個人・法人)、火災・地震、自動車・傷害、賠償責任、損害保険の税金、第3分野の保険へと進みます。料金はウケホーダイ・ライトが月額1,078円(税込)、ウケホーダイ・スタンダードが月額1,628円(税込)です。
注意点もあります。講座ページに表示されている改訂日は2025年9月9日です。2026年分の生命保険料控除の特例のように、改訂日より後に決まった制度は、受検期間に対応した年度版テキストでも確認してください(最終確認日:2026-10-02)。
よくある質問
Q. 法人の保険まで手が回りません
時間がなければ、個人の税金の3パターンと保険料控除を先に固めてください。法人の経理処理は商品ごとに型が違い、覚える量の割に得点につながる問題数は多くありません。
Q. 保険の商品名が多すぎて覚えきれません
全部の商品を覚える必要はありません。定期・終身・養老の3つを基本形にし、ほかの商品は「どの基本形に何を足したか」で整理します。収入保障保険なら、定期保険の死亡保険金を年金形式で受け取る形です。
Q. 古い過去問は使えますか
保険金の課税3パターンや地震保険の割合の問題は使えます。一方で、生命保険料控除の特例のように年ごとに変わる制度は、古い問題の前提が今と違うことがあります。数字が合わないときは、年度版テキストの記述を優先してください。
Q. リスク管理とライフプランニングはどちらから手を付けますか
ライフプランニングを先に進めるのがおすすめです。公的年金や健康保険を理解しておくと、民間の保険で何を補うのかが説明できます。ライフプランニングの覚え方はFP2級のライフプランニングが苦手|年金と係数を覚える5つの順番にまとめています。
まとめ
FP2級のリスク管理で押さえる点は4つです。
- 苦手の原因は暗記量ではなく、契約者・被保険者・受取人の取り違え
- 論点を「契約者保護」「生命保険の商品」「生命保険の税金」「損害保険の商品」「損害保険の税金」の5つに分け、この順に覚える
- 保険金の税金は「自分で払えば所得税、亡くなった人が払えば相続税、他人が払えば贈与税」
- 地震保険は「付けられるのは30〜50%、払われるのは100・60・30・5」、控除は「生命保険4万円、地震保険5万円」
次に過去問を解くときは、税金の問題を1問選び、余白に3人を書き出すところから始めてください。
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※本記事は情報提供を目的としたもので、試験の合格や学習の成果を保証するものではありません。試験制度・料金は変更される場合があるため、受験前に必ず公式サイトでご確認ください。