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FP2級のタックスプランニングが苦手|覚えられない人の順番

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FP2級の過去問を分野別に解くと、タックスプランニングだけ正答率が伸びない。所得の種類と控除の名前が頭の中で混ざり、読み直すたびに最初からやり直しになる。独学の社会人がつまずきやすい典型の状態です。

タックスプランニングが覚えられない原因は、暗記量よりも覚える順番にあります。所得税は「所得を区分する→損益通算する→控除を引く→税額を出す」という1本の流れでできています。流れを知らないまま控除の名前から覚えると、どの知識をどこで使うのかが結びつきません。

この記事でわかることは3点です。

  • タックスプランニングが苦手になる仕組みと、学科での目標点
  • 所得の計算の流れに沿った、覚える順番と止まりやすい論点
  • 2026年6月以降のCBTで、どの時点の税制を覚えればよいか

苦手になる原因は覚える順番

タックスプランニングが苦手な人の多くは、知識を計算の流れに並べずに覚えています。テキストの章を上から読むと、所得の種類や控除が別々の暗記項目に見えるためです。

所得税の計算は、次の順番で進みます。

  1. 収入を10種類の所得に分け、それぞれの所得金額を出す
  2. 赤字の所得を、ほかの所得と差し引きする(損益通算)
  3. 所得の合計から所得控除を引き、課税される所得を出す
  4. 税率をかけて税額を出し、税額控除を引く

どの論点も、この4段階のどこかに属しています。医療費控除は3段階目、住宅ローン控除は4段階目の話です。論点を覚えるたびに「4段階のどこの話か」を言えるようにすると、知識が混ざらなくなります。

もうひとつの原因は、数字の暗記から入ることです。控除額の数字を先に覚えても、計算のどこで使うかを知らなければ問題文で使えません。

学科での位置と目標点

日本FP協会の試験要綱によると、2級の学科試験は120分・60問の多肢選択式で、36点以上が合格です。出題は次の6分野にまたがります。

  • ライフプランニングと資金計画
  • リスク管理
  • 金融資産運用
  • タックスプランニング
  • 不動産
  • 相続・事業承継

紙の試験だった時期の公開問題では、各分野10問ずつの構成が一般的でした。

タックスプランニングが10問前後なら、目標は6問です。合格基準の6割と同じ水準で、得意分野で上乗せできれば5問でも届く計算になります。

区分内容
学科試験120分・60問・多肢選択式・36点以上で合格
実技試験(日本FP協会)資産設計提案業務・90分・40問・60点以上で合格
受検手数料(日本FP協会)学科と実技 11,700円/学科のみ 5,700円/実技のみ 6,000円
実施方式CBT(全国の会場で随時受検)

(最終確認日:2026-09-17。試験の形式・手数料は変更される場合があるため、受検前に日本FP協会または金融財政事情研究会の公式サイトで確認してください)

タックスプランニングを丸ごと捨てるのはおすすめしません。公式の試験範囲では、不動産分野に「不動産の譲渡に係る税金」、金融資産運用分野に「金融商品と税金」が入っています。所得税の仕組みを捨てると、ほかの2分野の税金の問題まで落とすことになります。

一方で、範囲の後半にある法人税・消費税・会社と役員間の税務は、苦手な人ほど後回しにしてかまいません。個人の所得税の流れが固まってから、基本の数字だけを押さえる形で間に合います。

覚える順番は計算の流れどおり

覚える順番は、所得税の計算の4段階と同じです。テキストの章順と違う場合でも、この順番で読み進めるほうが知識がつながります。

FP2級 | タックスプランニングの覚え方

覚える順番で定着の速さが変わる

苦手な人ほど、計算の流れに沿って並べると知識が混ざりにくくなります

知識のつながり実技の計算への対応
計算の流れの順 所得区分→損益通算→控除→税額 ○ 論点の置き場所が決まる ○ 総所得金額の計算に直結
テキストの章順 法人税・消費税まで通しで読む △ 章が変わると前の論点が抜けやすい △ 計算練習までの距離が長い
控除の暗記から入る 数字と名前を先に覚える × 名前が混ざりやすい △ どの段階で引くか迷いやすい
  • ※本文の考え方に基づく目安です。テキストの構成によって進めやすさは変わります

コツコツ資格

手順1 10種類の所得の区分

最初に覚えるのは、10種類の所得の名前と、それぞれの所得金額の出し方です。利子・配当・不動産・事業・給与・退職・山林・譲渡・一時・雑の10種類があります。

全部の計算式を同じ重さで覚える必要はありません。独学の社会人がまず固めたいのは次の3つです。

  • 給与所得:収入金額から給与所得控除額を引く
  • 退職所得:収入金額から退職所得控除額を引き、原則として2分の1にする
  • 一時所得:収入から支出と特別控除(最高50万円)を引く

一時所得は、ほかの所得と合計するときに2分の1にします。「一時所得の金額」と「総所得金額に入れる金額」を分けて考えると、選択肢のひっかけに気づけます。

退職所得控除額は、勤続年数で計算式が変わります。

勤続年数退職所得控除額
20年以下40万円×勤続年数(80万円未満なら80万円)
20年超800万円+70万円×(勤続年数-20年)

勤続年数が短い役員などは、2分の1にならない場合があります。例外は細かいため、まず原則の式を言えるようにしてから例外に進んでください。

手順2 損益通算の4つの所得

損益通算できる赤字は、不動産所得・事業所得・山林所得・譲渡所得の4つだけです。頭文字を並べて「富士山上(ふ・じ・さん・じょう)」と覚える方法が、受検者の間でよく使われています。

4つを覚えたら、次に「4つの中でも通算できない赤字」を押さえます。出題でねらわれやすいのは、こちらの例外です。

  • 不動産所得の赤字のうち、土地を取得するための借入金の利子に当たる部分
  • ゴルフ会員権や別荘など、生活に通常必要でない資産の譲渡損失
  • 上場株式等の譲渡損失(給与所得などとは通算できない)

例外は、原則の4つを言えない段階で覚えても混ざります。原則4つ→例外の順番を守るだけで、損益通算の問題は取りやすくなります。

手順3 所得控除と税額控除の区別

所得控除と税額控除は、引く段階が違います。所得控除は税率をかける前の所得から引き、税額控除は計算した税額から直接引きます。

所得控除は十数種類あり、名前を一覧で覚えようとすると混ざります。「物的控除」と「人的控除」の2つに分けて覚えてください。

分類主な控除
物的控除(支出に応じて引く)医療費控除・社会保険料控除・生命保険料控除・地震保険料控除・寄附金控除など
人的控除(人の状況に応じて引く)基礎控除・配偶者控除・扶養控除・ひとり親控除・勤労学生控除など
税額控除(税額から引く)住宅借入金等特別控除(住宅ローン控除)・配当控除など

医療費控除は、実際に支払った医療費から保険金などで補てんされた金額を引き、さらに10万円を引いて計算します。総所得金額等が200万円未満の人は、10万円ではなく総所得金額等の5%を引きます。控除額の上限は200万円です。

住宅ローン控除は所得控除ではなく税額控除です。名前に「控除」が付くものを全部同じ箱に入れないことが、この段階のポイントです。

独学で止まりやすい論点

流れを押さえたあとで止まりやすい論点は、ほぼ決まっています。止まったときは、その論点が4段階のどこに属するかを先に確認してください。

  • 総合課税と分離課税の区別:預金の利子は源泉分離課税、土地・建物や株式の譲渡は申告分離課税です。分離課税の所得は総所得金額に入らないため、計算問題で足してしまうミスが起きます
  • 確定申告が必要な人の条件:給与収入が2,000万円を超える人や、給与以外の所得が20万円を超える人などです。「年末調整で終わる人」と対比して覚えます
  • 会社と役員間の取引:役員が会社へ時価の2分の1未満で資産を譲渡すると、時価で譲渡したものとみなされます。会社が役員へ安く売った場合は、時価との差額が役員給与の扱いになります
  • 消費税の基準:基準期間の課税売上高が1,000万円以下なら、原則として免税事業者です。5,000万円以下なら簡易課税を選べます。ただし、インボイス発行事業者として登録すると免税事業者にはなれません

会社と役員間の取引は、問題文の余白に「誰が売って誰が買ったか」を矢印で書き出すと混ざりません。

過去問を使うときは、出題された年の税制に注意してください。日本FP協会のサイトには試験問題・模範解答のページがあります。ただし、古い回の問題は改正前の数字で作られています。給与所得控除の最低保障額などは、古い過去問の数字をそのまま覚えないでください。

2026年6月以降の税制改正の扱い

2026年6月から2027年5月に受けるCBTは、法令基準日が2026年4月1日です。日本FP協会の試験日程に明記されています。2026年5月23日までの試験は2025年4月1日が基準だったため、6月をはさんで覚える数字が変わりました。

公式の試験要綱では、試験問題は法令基準日の時点ですでに施行されている法令を基準にします。国税庁によると、令和7年度税制改正は原則として2025年12月1日に施行されました。このルールに当てはめると、2026年6月以降のCBTでは令和7年度改正の内容が基準になります。

令和7年度改正で変わった主な点は次のとおりです(国税庁の公表内容より)。

  • 基礎控除:本則が58万円になり、合計所得金額に応じた加算が設けられた
  • 給与所得控除:最低保障額が55万円から65万円に引き上げ
  • 扶養親族と同一生計配偶者の所得要件:48万円以下から58万円以下へ
  • 勤労学生の所得要件:75万円以下から85万円以下へ
  • 特定親族特別控除の創設:19歳以上23歳未満の親族が対象で、控除額は最高63万円

一方で、令和8年度税制改正による基礎控除の引上げなどは、原則として2026年12月1日の施行です。2027年5月までのCBTの法令基準日である2026年4月1日の時点では、まだ施行されていません。ニュースで見る新しい控除額と、テキストの数字が食い違っても慌てる必要はありません。

基礎控除の加算は、合計所得金額によって段階が分かれていて複雑です。まず本則の58万円と「所得に応じて加算がある」という仕組みを押さえ、段階の数字は使っているテキストの扱いに合わせてください。テキストは、受検する期間に対応した年度版かどうかを最初に確認します。

公式要綱には、試験範囲に付随する時事的な問題は出題の可能性があるとも書かれています。ただし苦手な段階では、改正の細かい数字より所得税の流れを先に固めてください。

(最終確認日:2026-09-17。法令基準日と税制改正の内容は、受検前に日本FP協会と国税庁の公式サイトで確認してください)

4週間の立て直しスケジュール

タックスプランニングだけを立て直すなら、4週間が目安です。平日30〜45分、休日に1〜2時間を取れる社会人を想定しています。理解の速さには個人差があるため、進まない週は次の週に回してください。

週やること終わりの目安
1週目所得税の4段階の流れと、10種類の所得の区分給与・退職・一時所得の計算式を何も見ずに書ける
2週目損益通算の原則4つと例外、総所得金額の計算事例の問題で総所得金額を出せる
3週目所得控除(物的・人的)と税額控除、確定申告控除の名前を聞いて4段階のどこか言える
4週目法人税・消費税の基本と、分野別の過去問演習分野別の問題で6割を超える

4週目の過去問演習では、間違えた問題に「4段階のどこの論点か」を書き込みます。同じ段階の間違いが続くなら、その段階だけテキストに戻れば足ります。

実技試験を日本FP協会で受ける人は、2週目に総所得金額の計算問題を1日1問ずつ混ぜてください。学科で覚えた知識を、計算で使う練習になります。

独学で止まったときの選択肢

テキストを読み直しても流れがつかめない場合は、講義動画で所得税の流れを一度聞く方法があります。文字だけで追うより、計算の順番を図で説明してもらうほうが早く腑に落ちる人もいます。独学で分野別の正答率が上がっている人には不要な出費です。

オンスク.JPは月額制のオンライン講座で、FP2級講座にタックスプランニングの章があります。講義は所得税の仕組みから各種所得、損益通算、控除へと進み、この記事の順番に近い構成です。料金はウケホーダイ・ライトが月額1,078円(税込)、ウケホーダイ・スタンダードが月額1,628円(税込)です。

注意点もあります。講座ページに表示されている改訂日は2025年9月9日です。2025年12月施行の税制改正への対応状況は、この記事では確認できていません。改正の数字は、受検期間に対応した年度版テキストで補ってください(最終確認日:2026-09-17)。

よくある質問

Q. タックスプランニングは捨てても合格できますか

計算上は、ほかの5分野で36点を取れば合格できます。ただし、不動産分野と金融資産運用分野にも税金の問題が含まれます。タックスを捨てるとその分も落としやすくなるため、所得税の流れだけは押さえてください。

Q. 法人税と消費税はどこまでやればいいですか

所得税の流れが固まってからで間に合います。法人税は会社と役員間の取引、消費税は免税事業者と簡易課税の基準を優先します。細かい計算は、分野別の過去問で正答率が上がってから手を広げてください。

Q. 所得控除の金額は全部覚える必要がありますか

全部を同じ重さで覚える必要はありません。先に覚えるのは、医療費控除の計算方法や扶養控除の所得要件など、計算や判定に使うものです。名前と「物的か人的か」の区別だけを先に入れておくと、残りは過去問で出たものから覚えられます。

Q. FP3級のときは解けたのに、2級で急に解けなくなりました

2級は、3級より例外や組み合わせを問う問題が増えます。3級の知識を「原則」として使い、2級では損益通算の例外や分離課税の区別を上に積む形で進めてください。3級から2級への勉強時間の考え方はFP3級の次のFP2級は何時間?追加80〜150時間と独学3ヶ月プランにまとめています。

まとめ

タックスプランニングで押さえる点は4つです。

  • 覚えられない原因は暗記量ではなく、所得税の計算の流れに並べていないこと
  • 所得の区分→損益通算→所得控除→税額控除の順で覚え、論点ごとに4段階のどこかを言えるようにする
  • 丸ごと捨てず、目標は10問中6問。法人税・消費税は後回しでよい
  • 2026年6月から2027年5月のCBTは、法令基準日2026年4月1日の税制で覚える

次に過去問を解くときは、間違えた問題の横に「4段階のどこか」を書き込むところから始めてください。

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参考にした情報

※本記事は情報提供を目的としたもので、試験の合格や学習の成果を保証するものではありません。試験制度・料金は変更される場合があるため、受験前に必ず公式サイトでご確認ください。