FP2級のライフプランニングが苦手|年金と係数を覚える5つの順番
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FP2級のライフプランニングと資金計画が苦手な人は、健康保険・雇用保険・年金の数字を1本の暗記リストとして覚えようとしています。制度ごとに「誰が・いつ・いくら」が違うため、リストが長くなるほど数字が入れ替わります。
ライフプランニングは「6つの係数」「住宅・教育資金」「社会保険」「公的年金」「企業年金・関連法規」の5つに分け、この順に覚えると整理できます。 最も重い公的年金は、繰上げと繰下げの率など問われる数字が限られています。
この記事では、5つの分け方と各パートで落とせない数字、4週間の立て直し手順を順にまとめます。
覚えられない原因は制度の取り違え
ライフプランニングで点が取れない原因は、似た制度の数字を取り違えることです。健康保険の傷病手当金と雇用保険の基本手当は、どちらも「働けない間のお金」に見えます。ところが、払う制度も条件もまったく違います。
つまずきやすい点は次の3つです。
- 傷病手当金(病気で休む)と基本手当(失業した)の条件が混ざる
- 繰上げは1か月0.4%減、繰下げは1か月0.7%増の向きと率が入れ替わる
- 6つの係数の名前が似ていて、どれを使うかが決められない
もうひとつの原因は分量です。オンスク.JPのFP2級講座では、ライフプランニングと資金計画は17講義あります。金融資産運用の章(14講義)より多く、6分野で最初に学ぶ分野なのに最も重い部類です。
学科での位置と目標点
日本FP協会の試験要綱によると、2級の学科試験は120分・60問の多肢選択式で、36点以上が合格です。出題範囲は6分野で、ライフプランニングと資金計画はそのひとつです。紙の試験だった時期の公開問題では、各分野10問ずつの構成が一般的でした。
ライフプランニングが10問前後なら、目標は6〜7問です。係数と住宅・教育資金で2問、社会保険で2問、公的年金で2問を取り、関連法規で1問拾えば届きます。
| 区分 | 内容 |
|---|---|
| 学科試験 | 120分・60問・多肢選択式・36点以上で合格 |
| 実施方式 | CBT(全国の会場で随時受検) |
| 法令基準日 | 2026年度の試験は2026年4月1日 |
| 2026年度の残りの休止期間 | 2026年12月28日〜2027年1月5日、2027年3月25日〜3月31日 |
(最終確認日:2026-10-02。試験の形式・休止期間は変更される場合があるため、受検前に日本FP協会または金融財政事情研究会の公式サイトで確認してください)
ライフプランニングを捨てるのはおすすめしません。実技試験でも係数を使う計算や、年金・社会保険の給付の問題が出るためです。
5つに分けて覚える順番
最初に、ライフプランニングの論点を5つのパートに仕分けます。オンスク.JPのFP2級講座の講義名を当てはめると、次のようになります。
| パート | 含まれる論点 | 覚えるものの中心 |
|---|---|---|
| 6つの係数 | ライフプランニングの手法・プロセス | 何を求めたいかから係数を選ぶ |
| 住宅・教育資金 | 住宅ローン・教育資金 | 返済方法の違い、教育ローンと奨学金の違い |
| 社会保険 | 健康保険・雇用保険・労災保険・介護保険 | 誰が対象で、何日・何割もらえるか |
| 公的年金 | 公的年金制度・老齢・障害・遺族の給付 | 加入者の区分、繰上げ・繰下げの率 |
| 企業年金・関連法規 | 企業年金・個人年金・中小企業の資金調達・関連法規 | 確定拠出年金の拠出、FPがしてはいけない業務 |
問題を解く前に「どのパートの問題か」を先に決めると、思い出す数字の候補が絞れます。
覚える順番は、係数→住宅・教育資金→社会保険→公的年金→企業年金・関連法規が進めやすいです。係数は計算の型なので、最初に固めると住宅ローンの問題にも使えます。社会保険で「健康保険の被保険者」を理解してから年金に進むと、第2号被保険者の意味が説明できます。
パート1 6つの係数は求めたいもので選ぶ
6つの係数は、名前を覚えるより「今の額か将来の額か」「1回か毎年か」の2つで選びます。
| 求めたいもの | 使う係数 | 例 |
|---|---|---|
| 今の100万円が将来いくらになるか | 終価係数 | 一括で運用した結果 |
| 将来の目標額のために今いくら必要か | 現価係数 | 一括で準備する額 |
| 毎年積み立てると将来いくらになるか | 年金終価係数 | 積立の結果 |
| 将来の目標額のために毎年いくら積み立てるか | 減債基金係数 | 毎年の積立額 |
| 今の元本から毎年いくら受け取れるか | 資本回収係数 | 住宅ローンの毎年の返済額にも使う |
| 毎年一定額を受け取るために今いくら必要か | 年金現価係数 | 老後資金の準備額 |
「毎年いくら」を求めるのは減債基金係数と資本回収係数の2つだけです。 将来の額から逆算するなら減債基金、今の元本から割るなら資本回収と覚えます。
試験では係数の表が問題文に付きます。表の値を覚える必要はなく、どの列を使うかを選べれば正解できます。
パート2 住宅・教育資金は対になる言葉
住宅ローンと教育資金は、対になる言葉を組で覚えるパートです。
- 元利均等返済と元金均等返済:毎回の返済額が一定か、元金部分が一定か。総返済額は元金均等返済のほうが少ない
- 期間短縮型と返済額軽減型(繰上げ返済):同じ額を繰り上げるなら、利息を減らす効果は期間短縮型が大きい
- 国の教育ローンと奨学金:国の教育ローンは保護者が借り、奨学金は学生本人が借りる
フラット35は「最長35年・全期間固定金利」の住宅ローンです。融資の上限は8,000万円です。細かな条件は年度で変わるため、住宅金融支援機構の公式サイトと年度版テキストで確認してください。
パート3 社会保険は「何を守る保険か」で分ける
社会保険のパートは、4つの保険を「何が起きたときの保険か」で分けます。
| 保険 | 守る場面 | 落とせない点 |
|---|---|---|
| 健康保険 | 業務外の病気・けが | 傷病手当金は休業4日目から。通算で1年6か月まで |
| 雇用保険 | 失業・育児・介護での休業 | 基本手当は原則、離職前2年間に被保険者期間12か月以上 |
| 労災保険 | 仕事中・通勤中の病気・けが | 保険料は全額事業主が負担 |
| 介護保険 | 介護が必要な状態 | 40〜64歳は特定疾病が原因の場合だけ対象 |
病気で休むなら健康保険、職を失ったら雇用保険、仕事が原因なら労災保険と、場面で振り分けます。仕事中のけがは健康保険ではなく労災保険で扱う点が、選択肢でよく問われます。
退職後の健康保険は3択
会社を辞めた後の健康保険は、次の3つから選びます。
- 任意継続被保険者:退職日の翌日から20日以内に申し出る。最長2年
- 国民健康保険:住んでいる市区町村で加入する
- 家族の被扶養者:収入の条件を満たせば保険料はかからない
任意継続は「20日以内・2年」の2つの数字だけが問われます。
パート4 公的年金は被保険者の区分から
公的年金は、最初に被保険者の3区分を固めます。区分がわかれば、誰が保険料を払うかが決まります。
- 第1号被保険者:自営業者や学生など。国民年金保険料を自分で払う(2026年度は月額17,920円)
- 第2号被保険者:会社員や公務員。厚生年金の保険料を会社と折半する
- 第3号被保険者:第2号被保険者に扶養される配偶者。自分では保険料を払わない
日本年金機構によると、2026年度の老齢基礎年金の満額は月額70,608円です(昭和31年4月2日以後生まれの人)。満額は毎年度改定されるため、試験では年度版テキストの数字で覚えます。
繰上げと繰下げは率と範囲を対で
老齢年金は原則65歳から受け取ります。早める繰上げと遅らせる繰下げは、率と範囲を対にして覚えます。
FP2級 | ライフプランニング
老齢年金の繰上げと繰下げ
1962年4月2日以後生まれの人の率です
| 受け取りを始める年齢 | 1か月あたりの増減 | 最大の増減 | |
|---|---|---|---|
| 繰上げ受給 一度決めると取り消せない | ○ 60〜64歳 | △ 0.4%の減額 | △ 60歳開始で24%減 |
| 繰下げ受給 待つ間は年金を受け取らない | ○ 66〜75歳 | ○ 0.7%の増額 | △ 75歳開始で84%増 |
- ※○△×は有利・不利の判定ではなく、条件の目安です。受け取る総額は何歳まで生きるかで変わります。1962年4月1日以前生まれの人は繰上げの減額率が0.5%です
コツコツ資格
**「上げは4、下げは7、上限は24と84」**と1行で言えるようにします。24%は0.4%×60か月、84%は0.7%×120か月の計算で確かめられます。
在職老齢年金は2026年4月の改正に注意
在職老齢年金は、働きながら受け取る老齢厚生年金が減る仕組みです。2026年4月から、減額が始まる基準額が引き上げられました。厚生労働省の発表によると、法律上の基準は令和6年度水準で50万円から62万円になりました。2026年度の実際の額は65万円です。
2026年4月1日の法令基準日以後の試験では、新しい基準で出題されます。古い過去問の「50万円」「51万円」は今の数字ではありません。
パート5 企業年金と関連法規は「できないこと」
最後のパートは、確定拠出年金とFPの関連法規です。どちらも「できること・できないこと」の線引きが問われます。
確定拠出年金の企業型と個人型(iDeCo)は、掛金を誰が出すかで分けます。企業型は会社が出し、個人型は加入者本人が出します。掛金は所得から全額控除されます(小規模企業共済等掛金控除)。拠出の上限額は制度改正が続いているため、受検期間に対応した年度版テキストの表で確認してください。
関連法規は、FPが資格なしでできない業務を覚えます。
| 業務 | FPができること | できないこと |
|---|---|---|
| 税理士業務 | 一般的な税制の説明 | 個別の税額計算や税務書類の作成(無償でも不可) |
| 弁護士業務 | 一般的な法律の説明 | 個別の法律事件の判断や代理 |
| 保険の募集 | 保険の一般的な説明 | 募集人の登録なしでの保険の募集 |
**税理士業務は「無償でもできない」**の一言が、選択肢で最も多く問われます。
4週間の立て直しスケジュール
ライフプランニングだけを立て直すなら、4週間が目安です。平日30〜45分、休日に1〜2時間を取れる社会人を想定しています。理解の速さには個人差があるため、進まない週は次の週に回してください。
| 週 | やること | 終わりの目安 |
|---|---|---|
| 1週目 | 5パートの仕分けと6つの係数・住宅資金 | 「毎年いくら」を求める2つの係数を言える |
| 2週目 | 社会保険の4つの保険 | 傷病手当金と基本手当の条件を混ぜずに言える |
| 3週目 | 公的年金の区分・繰上げ繰下げ・在職老齢年金 | 0.4%・0.7%・24%・84%を表を見ずに書ける |
| 4週目 | 企業年金・関連法規と、分野別の過去問演習 | 分野別の問題で6割を超える |
3週目の公的年金は、毎日1問だけでも続けてください。年金の数字は3日空けると、繰上げと繰下げの率が入れ替わりやすくなります。
4週目の過去問演習では、間違えた問題の横に「どのパートか」を書き込みます。同じパートの間違いが続くなら、そのパートの表だけを作り直せば足ります。
独学で止まったときの選択肢
表を作っても年金の区分や社会保険の振り分けが頭に入らない場合は、講義動画で一度説明を聞く方法があります。制度の関係は、図で流れを見ながら聞くほうが早く理解できる人もいます。分野別の正答率が上がっている人には不要な出費です。
オンスク.JPは月額制のオンライン講座で、FP2級講座のライフプランニングと資金計画の章は17講義です。講義はライフプランニングの手法から始まり、住宅・教育資金、企業年金、健康保険・雇用保険・労災保険・介護保険、公的年金、関連法規へと進みます。料金はウケホーダイ・ライトが月額1,078円(税込)、ウケホーダイ・スタンダードが月額1,628円(税込)です。
注意点もあります。講座ページに表示されている改訂日は2025年9月9日です。在職老齢年金のように2026年4月に改正が入った論点は、受検期間に対応した年度版テキストでも確認してください(最終確認日:2026-10-02)。
よくある質問
Q. 年金の計算問題まで手が回りません
時間がなければ、繰上げ・繰下げの率と、被保険者の3区分を先に固めてください。老齢厚生年金の額を一から計算させる問題より、率や区分を選ぶ問題のほうが出題の形が決まっていて点になります。
Q. 社会保険の数字が多すぎて覚えきれません
全部の数字を覚える必要はありません。まず「どの保険の話か」を場面で振り分けられるようにします。数字は傷病手当金の「4日目・1年6か月」、任意継続の「20日・2年」の4つから始めてください。
Q. 古い過去問は使えますか
6つの係数や住宅ローンの返済方法の問題は使えます。一方で、在職老齢年金の基準額や年金額は改正や毎年度の改定があり、古い問題の数字は今と違います。数字が合わないときは、年度版テキストの記述を優先してください。
Q. ライフプランニングと金融資産運用はどちらから手を付けますか
ライフプランニングを先に進めるのがおすすめです。6つの係数の考え方は、金融資産運用の利回り計算の土台になります。金融資産運用の覚え方はFP2級の金融資産運用が苦手|覚えられない人の5つの順番にまとめています。
まとめ
FP2級のライフプランニングで押さえる点は4つです。
- 苦手の原因は暗記量ではなく、似た制度の数字を取り違えること
- 論点を「6つの係数」「住宅・教育資金」「社会保険」「公的年金」「企業年金・関連法規」の5つに分け、この順に覚える
- 社会保険は「病気は健康保険、失業は雇用保険、仕事が原因は労災保険」と場面で振り分ける
- 公的年金は「上げは4、下げは7、上限は24と84」で覚え、在職老齢年金は2026年4月の改正後の数字で確認する
次に過去問を解くときは、係数の問題を1問、「今か将来か」「1回か毎年か」を書き出すところから始めてください。
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※本記事は情報提供を目的としたもので、試験の合格や学習の成果を保証するものではありません。試験制度・料金は変更される場合があるため、受験前に必ず公式サイトでご確認ください。