マンション管理士と管理業務主任者のW受験|独学14週間の進め方
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「マンション管理士と管理業務主任者は範囲が似ているらしい。どうせなら同じ年にまとめて受けたい」——そう思って調べ始めたものの、勉強時間の目安が「500時間」「600時間」と並んでいて、8月下旬の今から間に合うのか判断できずに手が止まっている。この記事は、そういう方に向けたものです。
先に整理してしまうと、2026年(令和8年)のマンション管理士試験は11月29日、管理業務主任者試験は12月6日。ここから本番までは約14週間で、2つの試験のあいだはわずか1週間しかありません。なお、令和8年度の申込は両試験とも9月30日で締め切られました(マンション管理センター・マンション管理業協会の公式サイトで受付終了を確認・2026-10-04)。申し込んだ試験の組み合わせを前提に、この記事の進め方を使ってください。この記事では、公表されている2026年の日程と直近の合格率をもとに、W受験が向く人・向かない人を切り分け、働きながらの14週間の使い方を具体的に整理します。
本記事は独学の進め方を客観的に解説するもので、特定の講座の受講や合格を保証・断定するものではありません。試験制度・日程・料金は変更されることがあるため、最終的には公式(公益財団法人 マンション管理センター、一般社団法人 マンション管理業協会)でご確認ください。
先に結論:14週間で「両方」を狙えるのは、この条件がそろう人だけ
要点を4つに絞ります。
- 本番までは約14週間(2026年8月24日から11月29日まで97日)。管理業務主任者はさらにその1週間後です。ゼロからのスタートで両方を同じ年に、というのは相当に厳しい設計になります。
- 出題範囲は7〜8割が共通とされます。だからこそ「もう1つ増やすコスト」は思ったより小さく、W受験そのものは合理的な選択肢です。
- 令和8年度の申込は両試験とも9月30日で終了しました。今から申込を足すことはできないので、申し込んだ試験に合わせて計画を組みます。
- 難易度は明確に差がある。令和7年度の合格率はマンション管理士が11.0%、管理業務主任者が19.6%。現実的な主戦場は管理業務主任者側で、マンション管理士は「同じ勉強で挑戦権が増える」と捉えるほうが精神衛生上も安全です。
つまり、**「管理業務主任者を本命に据え、マンション管理士は同じ教材の延長で受ける」**という順序で組むと、14週間でも形になりやすい、というのがこの記事の立場です。
2026年(令和8年)の日程と数字を先に押さえる
まず事実の確認からです(最終確認日:2026-08-24。日程・料金は変わることがあるため、必ず公式で最新をご確認ください)。
| 項目 | マンション管理士 | 管理業務主任者 |
|---|---|---|
| 実施団体 | 公益財団法人 マンション管理センター | 一般社団法人 マンション管理業協会 |
| 試験日 | 令和8年11月29日(日)13:00〜15:00 | 令和8年12月6日(日)13:00〜15:00 |
| 出題形式 | 四肢択一・50問・2時間 | 四肢択一・50問・2時間 |
| 申込(インターネット) | 8月3日10:00〜9月30日16:00(終了) | 8月3日〜9月30日(終了) |
| 申込(郵送) | 8月3日〜8月31日 当日消印有効(終了) | 8月3日〜8月24日 当日消印有効(終了) |
| 受験手数料 | 9,400円(非課税) | 8,900円(非課税)+事務手数料297円 |
| 令和7年度の合格率 | 11.0%(合格基準42点) | 19.6%(合格基準36点) |
補足を2点だけ。
郵送申込の期限は先に来ます。 管理業務主任者の郵送受付は8月24日消印有効、マンション管理士は8月31日消印有効です。インターネット申込も9月30日で締め切られ、令和8年度の申込はすべて終了しています。来年受ける人は、8月の受付開始に合わせて動いてください。
合格基準点は年によって動きます。 令和7年度はマンション管理士が42点、管理業務主任者が36点でしたが、これは絶対基準ではありません。「何点取れば受かる」と固定して考えず、基準点+数点の余裕を目標にするほうが安全です。
W受験は本当に得か:重なる部分と、重ならない部分
W受験を勧める記事は多いのですが、「どこが重なり、どこが重ならないか」を具体的に言わないと判断できません。ここを整理します。
重なるところ(学習の使い回しが効く)
- 区分所有法:両試験の中核です。ここを固めれば両方に効きます。
- 標準管理規約:条文とコメントの読み込みが、そのまま両方の得点になります。
- 民法:出題の重点は違いますが、土台の理解は共通です。
- 建築・設備の基礎:用語と仕組みのレベルでは共通部分が多いとされます。
重ならないところ(追加で潰す必要がある)
- 標準管理委託契約書:管理会社が管理組合と結ぶ契約のルールで、管理業務主任者側で重く出ます。管理組合の立場から学ぶマンション管理士の勉強だけでは手薄になりがちです。
- 管理組合の会計・仕訳:管理業務主任者では簿記の仕訳を問う問題が例年出題される傾向にあるとされます。簿記に触れたことがない人はここで詰まります。
- マンション管理適正化法:両方に出ますが、5問免除の対象になるのがこの分野です(後述)。
マンション管理士 | 管理業務主任者
同じ年に受けるなら、どちらを本命にするか
令和7年度の実績と、14週間という残り時間から見た位置づけです
| 合格率の水準 | 14週間での現実味 | 独学の進めやすさ | |
|---|---|---|---|
| 管理業務主任者を本命 令和7年度 合格率19.6% | ○ 2割前後で相対的に高め | ○ 300時間目安で射程に入りやすい | △ 会計・委託契約書は別途対策が要る |
| マンション管理士を本命 令和7年度 合格率11.0% | △ 1割前後で難度は高め | △ 500時間目安で時間が足りにくい | △ 条文の横断理解が要りハードルが高い |
| 両方を等しく本気で 同じ重さで並走 | △ 数字は変わらない | × 働きながらでは時間が割れる | × 教材が増え軸がぶれやすい |
- ※合格率は令和7年度(2025年度)の公表値をもとにした比較で、合格を保証するものではありません。
- ※必要な勉強時間は一般に言われる目安であり、前提知識により大きく変わります。
コツコツ資格
図のとおり、「両方を等しく本気で」が一番危ないというのがこの記事の見立てです。教材が2セットに増え、どちらも中途半端になります。教材は1セット、本命は管理業務主任者、マンション管理士は同じ教材で挑戦権を1つ増やす——この形にするのが、14週間という条件では現実的です。
5問免除は「今年」には使えない。それでも知っておく理由
W受験を調べると必ず出てくるのが5問免除です。ここは誤解が多いので、はっきり書きます。
5問免除とは、一方の試験の合格者が、もう一方の試験で5問(マンション管理適正化法に関する問題)の解答を免除される制度です。マンション管理士試験では管理業務主任者の合格者が、管理業務主任者試験ではマンション管理士の合格者が対象になります。免除を受けるには受験申込のときに申請が必要で、後から追加することはできません。
ここで重要なのは、今年初めて両方を受ける人は、今年の免除は使えないということです。合格発表は年明けなので、当然ながら申込時点では「合格者」ではありません。つまり5問免除は、「今年ダメだった科目を来年受け直すとき」に効いてくる制度です。
そのうえで、この事実は今年の戦略に影響します。今年は管理業務主任者だけに絞って確実に取り、来年マンション管理士を5問免除つきで受ける——これも十分に合理的なルートだからです。14週間しかない、平日の学習時間が1時間しか取れない、簿記に触れたことがない、という条件が重なる人には、むしろこちらを勧めます。W受験は義務ではありません。
働きながらの独学14週間スケジュール
ここからは、「管理業務主任者を本命に、マンション管理士も受ける」と決めた前提で、14週間の組み方を出します。平日1.5時間・休日4時間(週あたり約15.5時間)を想定し、14週間で合計およそ200〜220時間という設計です。目安の500時間には届きませんが、捨てる分野を先に決めることで到達可能な水準に落とし込むのが狙いです。
| 期間 | 週 | やること | 到達の目安 |
|---|---|---|---|
| 8月下旬〜9月中旬 | 1〜4週 | 区分所有法と標準管理規約をテキストで通読。細部は飛ばして全体像をつかむ | 用語アレルギーが消える |
| 9月中旬〜10月中旬 | 5〜8週 | 過去問を分野別に1周。間違えた問題の条文をテキストで確認 | 区分所有法で5割 |
| 10月中旬〜11月上旬 | 9〜12週 | 過去問2〜3周目。管理委託契約書と会計・仕訳をここで集中投下 | 管業の頻出分野で6〜7割 |
| 11月上旬〜11月28日 | 13〜14週 | 予想問題・模試を時間を計って解く。マンション管理適正化法を総ざらい | 本番形式に慣れる |
| 11月29日〜12月5日 | 中1週間 | 管理業務主任者だけに全振り(後述) | 差分を上書きする |
1〜4週:区分所有法と標準管理規約を「往復」する
この4週間の目的は暗記ではなく、「マンションの管理は誰がどう決めるのか」という骨格をつかむことです。区分所有法の条文と標準管理規約は、同じことを別の角度から書いている箇所が多くあります。条文を読んだら、対応する規約の条文とコメントを見に行くという往復を習慣にすると、丸暗記に頼らずに済みます。
つまずきやすいのは、集会の決議要件(普通決議・特別決議)と、共用部分の変更・管理・保存行為の切り分けです。ここは最後まで問われ続けるので、この段階で完璧にしようとせず、「何度も戻ってくる場所」と割り切って先に進んでください。
5〜8週:過去問を分野別に、1周だけ丁寧に
インプットが一巡したら、すぐ過去問に入ります。年度別ではなく分野別で解くのがポイントです。理由は単純で、同じ論点を連続で解いたほうが、条文のどこを問われているかが見えやすいからです。
この段階では正答率を気にしなくて構いません。間違えた問題は必ずテキストの該当箇所に戻り、その条文の周辺も一緒に読む。この「周辺も読む」が、次の段階で効いてきます。
9〜12週:管理業務主任者の「独自分野」に集中投下する
ここが14週間プランの核です。9週目に入ったら、管理委託契約書と管理組合会計に、意識的に多めの時間を割きます。マンション管理士の勉強を続けているだけでは伸びない分野で、しかも管理業務主任者の得点源になるからです。
会計・仕訳が苦手な人は、簿記の基礎に一度立ち返るほうが結果的に速いことがあります。この点は別記事で扱っているので、あわせて読んでみてください。
13〜14週:本番形式と、適正化法の総ざらい
直前2週間は、時間を計って50問を2時間で解く練習に切り替えます。両試験とも四肢択一50問・2時間で、1問あたり2分24秒。分からない問題を飛ばす判断が身についているかどうかで、体感の難易度が変わります。同時に、マンション管理適正化法をここで総ざらいします。来年5問免除を使うつもりでも、今年は免除がないため、この分野は捨てられません。
11月29日から12月6日まで:中1週間の使い方
W受験の最大の特徴が、この中1週間です。ここでやるべきことははっきりしています。
- マンション管理士の自己採点は、しない(もしくは見ない)。結果がどうであれ12月6日は来ます。手応えが悪かった場合、自己採点は集中力を削るだけです。
- 試験の翌日を完全オフにしない。30分でも管理業務主任者の過去問に触れて、リズムを切らさないほうが立て直しやすくなります。
- 管理委託契約書・会計・適正化法に全振りする。共通分野の知識はマンション管理士の直前期で仕上がっています。この1週間は「差分だけを上書きする」期間と考えてください。
言い換えると、中1週間があるからW受験は成立しているとも言えます。もし2つの試験が同じ日だったら、この記事の結論はまったく違ったものになっていたはずです。
つまずきポイントと、人を選ぶところ
正直に書きます。W受験には向かない人がいます。
- 平日の学習時間が30分しか取れない人:14週間で100時間に届きません。この場合は管理業務主任者1本に絞り、来年マンション管理士を5問免除つきで受けるほうが期待値は高くなります。
- 簿記にまったく触れたことがない人:管理組合会計の仕訳で手が止まりやすく、そこに時間を吸われます。着手を早めるか、割り切って捨て問にする判断が要ります。
- 11月末から12月初旬に繁忙期が重なる人:中1週間が丸ごと潰れると、W受験の最大の利点が消えます。仕事の山を先に確認してください。
- 条文を読むのが極端に苦にならないと言えない人:この2つの試験は、条文と規約の読み込みが得点に直結します。過去問の解説だけを追う進め方では、本番の言い換えに対応しづらいとされます。
逆に、宅地建物取引士や賃貸不動産経営管理士の学習経験がある人は明確に有利です。民法と建物・設備の土台ができているぶん、区分所有法と標準管理規約に時間を寄せられます。
独学が不安なら、講座という選択肢もある
ここまで独学前提で書いてきましたが、14週間で2つとなると、「どこを捨てるか」の判断そのものが難しいという問題が残ります。取捨選択を自分でやりきる自信がない場合は、W受験用のカリキュラムがある通信講座に判断ごと預けてしまうのも現実的な手です。アガルートアカデミーには、マンション管理士試験と管理業務主任者試験のダブル合格を目指すカリキュラムが用意されており、講義はオンラインで完結します(最終確認日:2026-08-24。コース内容・料金は変更されることがあるため、必ず公式サイトでご確認ください)。
広告 / PRもちろん、独学のテキストと過去問だけで合格している人もいます。費用をかけずに進めたいなら、まずは市販テキスト1冊と過去問集1冊で4週間走ってみて、区分所有法の全体像がつかめたかどうかで判断する——この決め方でも遅くはありません。
よくある質問
Q. どちらか1つだけにするなら、どちらを選ぶべきですか。 A. 合格率だけで見れば管理業務主任者(令和7年度19.6%)のほうが高く、独学の到達点としては現実的です。ただし、マンション管理士は管理組合側のコンサルタント、管理業務主任者は管理会社側の設置義務がある資格という違いがあります。仕事で使う予定があるなら、合格率ではなく立場で選んでください。
Q. 独学のテキストは2冊必要ですか。 A. 範囲が大きく重なるため、W受験対応をうたう1冊でカバーするのが基本です。そのうえで、管理業務主任者の過去問集を別に用意し、管理委託契約書と会計の問題量を確保するのが現実的だと考えます。
Q. 宅建に合格していれば、どのくらい有利ですか。 A. 民法と建物・設備の基礎が入っているぶん、初学者よりスタートは前に出ます。ただし区分所有法と標準管理規約は宅建でほとんど扱わない領域なので、「宅建があるから半分終わっている」とまでは言えません。
Q. 両方に申し込んだあとで、片方の受験をやめても大丈夫ですか。 A. 受験しない自由はありますが、受験手数料は返金されないのが原則です。片方をやめる場合も、費用は戻らない前提で判断してください。
まとめ:申込が終わった今、決めるのは配分だけ
- 2026年の本番は11月29日(マンション管理士)と12月6日(管理業務主任者)、残りは約14週間。
- 令和8年度の申込は両方とも9月30日で終了。申し込んだ組み合わせで走ります。
- 本命は管理業務主任者に置く。マンション管理士は同じ教材の延長として受ける。両方を等しく本気で追うのが一番崩れやすい構図です。
- 5問免除は今年は使えませんが、来年に向けた保険として意味があります。1本に絞る判断も、決して負けではありません。
- 中1週間は管理委託契約書・会計・適正化法に全振り。ここがW受験の勝ち筋です。
14週間は短いですが、区分所有法という1本の柱を立てれば、2つの試験は同じ幹から伸びた枝です。まずは今週、テキストを1冊決めて、区分所有法の最初の10条を読む。そこから始めれば十分に間に合います。
あわせて読みたい
参考にした情報
- 公益財団法人 マンション管理センター「マンション管理士試験」(申込受付期間・受験案内)
- 一般社団法人 マンション管理業協会「管理業務主任者試験」(申込受付期間)/令和8年度管理業務主任者試験 実施要領(試験日・受験手数料・合格発表日)
- 各資格スクールが公表する令和7年度試験結果のまとめ(合格率・合格基準点)
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