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FP3級の計算問題が苦手|捨てていい問題と先に覚える7つの型

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FP3級の勉強で、計算問題になると手が止まる。係数の表や利回りの式を見るだけで読み飛ばしたくなる。この記事は、そんな人が計算問題とどう付き合うかに答えます。

結論を先に書きます。FP3級は6割で合格する試験なので、計算問題を全部解けるようにする必要はありません。 ただし、式が短く毎回ほぼ同じ形で出る「7つの型」だけは先に覚えたほうが得です。この7つは小学校の算数レベルの四則演算で解けます。複数の式を組み合わせる重い問題は、後回しにして構いません。

本記事は独学の進め方を解説するもので、合格を保証するものではありません。試験制度や税の数字は変わることがあるため、受検前に日本FP協会・きんざいの公式サイトでご確認ください。

計算問題を全部解かなくても受かる理由

FP3級の学科は60問・60点満点で、36点以上で合格です(日本FP協会の試験要綱・最終確認日:2026-10-05)。24問まで落としても合格ラインに届きます。

学科は○×式と三答択一式で、計算が必要な問題は一部です。用語や制度の正誤を問う問題のほうが多くを占めます。計算が苦手でも、制度の暗記で点を積めば合格点に届く作りです。

実技は事情が少し違います。日本FP協会の実技(資産設計提案業務)は20問・60分で、100点満点中60点以上が合格です。キャッシュフロー表や係数を使う問題が実技に出やすく、計算をすべて捨てると実技で点が足りなくなります。捨てるのは「重い計算」だけで、型の決まった計算は拾うという線引きが現実的です。

項目学科実技(FP協会:資産設計提案業務)
問題数・時間60問・90分20問・60分
合格基準36点以上(60点満点)60点以上(100点満点)
計算問題の比重一部学科より多い
受検手数料4,000円(非課税)4,000円(非課税)

きんざいの実技(個人資産相談業務・保険顧客資産相談業務)は事例形式で、50点満点中30点以上が合格基準です。

先に覚える計算の7つの型

計算問題で拾うべきなのは、式が1本で完結する問題です。次の7つは例題を1回手で解けば、本番でも同じ手順で答えが出ます。

型1:6つの係数は「どの係数を掛けるか」だけ

係数の問題は、掛け算1回で終わります。難しいのは計算ではなく、6つの係数のどれを選ぶかです。

やりたいこと使う係数
今ある元本が将来いくらになるか終価係数
将来の目標額のために今いくら必要か現価係数
毎年積み立てると将来いくらになるか年金終価係数
将来の目標額のために毎年いくら積み立てるか減債基金係数
毎年一定額を受け取るために今いくら必要か年金現価係数
今ある元本を毎年いくらずつ取り崩せるか資本回収係数

例題で確認します。毎年24万円を年利2%で10年積み立てる場合、年金終価係数(2%・10年)の10.950を掛けます。24万円×10.950=262.8万円です。

もう1問です。1,000万円を年利2%で運用しながら10年で取り崩す場合、資本回収係数(2%・10年)の0.1113を掛けます。1,000万円×0.1113=111.3万円が毎年受け取れる額です。

覚え方のコツは、「毎年」が問題文にあれば名前に「年金」か「基金」「回収」が付く係数だと絞ることです。住宅ローンの毎年の返済額も、資本回収係数で求めます。

型2:キャッシュフロー表の将来値

実技で出やすいのが、キャッシュフロー表の空欄を埋める問題です。式は「現在の金額×(1+変動率)の経過年数乗」です。

例題:現在の生活費300万円、変動率2%のとき、3年後の生活費は次のとおりです。

  • 300万円×1.02×1.02×1.02=318.36…万円
  • 万円未満を四捨五入する指示なら、答えは318万円

累乗は電卓で「×1.02」を年数の回数だけ押せば出ます。 端数処理(四捨五入か切り捨てか)は問題文の指示に従います。指示を読み落とすと、計算が合っていても選択肢と数字がずれます。

金融資産残高の欄は「前年末の残高×(1+運用率)±その年の年間収支」で埋めます。キャッシュフロー表は同じ式を繰り返すだけなので、1回解けば型として残ります。

型3:債券の利回り

利回りの式は、分子が「1年あたりの利益」、分母が「買った値段」です。この形さえ覚えれば、最終利回り・応募者利回り・所有期間利回りは同じ式で解けます。

例題:額面100円・表面利率1.0%・残存期間4年の債券を98円で買った場合の最終利回りです。

  • 1年あたりの利息:1.0円
  • 1年あたりの値上がり益:(100円−98円)÷4年=0.5円
  • 最終利回り:(1.0円+0.5円)÷98円×100=約1.53%

3種類の違いは「いつ買って、いつ手放すか」だけです。発行時に買って満期まで持てば応募者利回り、途中で買って満期まで持てば最終利回り、途中で売れば所有期間利回りになります。

型4:建ぺい率と容積率

不動産の計算は、敷地面積に率を掛けるだけです。建ぺい率は建築面積の上限、容積率は延べ面積の上限を表します。

例題:敷地200㎡・建ぺい率60%・指定容積率200%・前面道路の幅4m・住居系の用途地域の場合です。

  • 建築面積の上限:200㎡×60%=120㎡
  • 前面道路による容積率:4m×4/10=160%(住居系は4/10を掛ける)
  • 指定容積率200%と160%の低いほうを使うので160%
  • 延べ面積の上限:200㎡×160%=320㎡

前面道路の制限は、道路の幅が12m未満のときにかかります。住居系以外の用途地域では6/10を掛けます。「低いほうを使う」を忘れて200%で計算するミスが典型です。

型5:退職所得

退職金の税金の問題は、退職所得控除の式を覚えれば解けます。国税庁のタックスアンサー(令和8年4月1日現在の法令)による式は次のとおりです。

勤続年数退職所得控除額
20年以下40万円×勤続年数(80万円未満なら80万円)
20年超800万円+70万円×(勤続年数−20年)

退職所得の金額は「(退職金−退職所得控除額)×1/2」です。

例題:勤続30年で退職金2,500万円の場合です。

  • 退職所得控除額:800万円+70万円×10年=1,500万円
  • 退職所得:(2,500万円−1,500万円)×1/2=500万円

勤続年数に1年未満の端数があれば、1年に切り上げて数えます。役員などで勤続5年以下の場合は1/2にならないなどの例外がありますが、3級では基本の式を優先して覚えます。

型6:相続税の基礎控除と法定相続分

相続の計算は、相続人の数を正しく数えられるかで決まります。相続税の基礎控除額は「3,000万円+600万円×法定相続人の数」です(国税庁タックスアンサーより)。

例題:配偶者と子2人が相続人の場合です。

  • 基礎控除額:3,000万円+600万円×3人=4,800万円
  • 法定相続分:配偶者1/2、子は残り1/2を2人で分けて各1/4

養子は、実子がいれば1人まで、実子がいなければ2人まで法定相続人の数に入れます。相続を放棄した人も、基礎控除の計算では人数に含めます。放棄した人を数から外すミスが出題の狙いどころです。

型7:贈与税の基礎控除

暦年課税の贈与税は、1年間にもらった額から110万円を引いた額に税率を掛けます。3級では、税額そのものより「課税される額」を問う形でも出ます。

例題:1年間に300万円の贈与を受けた場合、基礎控除後の課税価格は300万円−110万円=190万円です。税率は、もらった相手が直系尊属で受け取る人が18歳以上かどうかで表が変わります。税率の表まで覚えるのは後回しにして構いません。

FP3級 | 計算問題の優先順位

先に覚える型と後回しにする計算

式が1本で終わるものから拾う

覚える式の数手計算の重さ優先度
係数・キャッシュフロー表 型1・型2 ○ 掛け算の式1本 ○ 掛け算の繰り返し ○ 最初に覚える
利回り・建ぺい率・容積率 型3・型4 ○ 式1本 ○ 四則演算だけ ○ 早めに覚える
退職所得・相続税の基礎控除 型5・型6 △ 年数・人数の条件つき ○ 四則演算だけ ○ 早めに覚える
複数の所得を合わせる計算など 損益通算・総所得金額 × 式と例外が多い △ 段階が多い △ 後回し
  • ※優先度は合格ライン6割を前提にした学習順の目安です。税の数字は受検期間の法令基準日の数字で確認してください

コツコツ資格

後回しにしてよい計算問題

後回しにしてよいのは、式を2本以上つなげる問題と、例外の多い問題です。時間をかけても1点にしかならず、7つの型を固めるほうが得点に結びつきます。

後回しの候補は次のとおりです。

  • 不動産所得の赤字を給与所得と通算する損益通算で、通算できない部分を判定する問題
  • 複数の所得を合計して総所得金額を出す問題
  • 相続税の総額を、法定相続分で分けて税率表を当てて出す問題
  • 健康保険や年金の給付額を、標準報酬から日額まで計算する問題

後回しは「勉強しない」ではなく「順番を最後にする」という意味です。 7つの型で正答率が安定してから、余った時間で手を付けます。本番でこの種の問題に当たったら、30秒考えて式が浮かばなければ選択肢を1つ選んで先へ進みます。

所得税の給与所得控除や基礎控除のように、改正で金額が動く数字もあります。計算の型は変わらなくても、使う数字は年度で違うことがあります。数字は受検する期間の法令基準日に合った最新年度のテキストで確かめます。2026年6月〜2027年5月の試験は、2026年4月1日時点の法令が基準です(日本FP協会の試験日程ページ・最終確認日:2026-10-05)。

CBTの計算機に慣れておく

FP3級はCBT方式(会場のパソコンで解く方式)で、自分の電卓は持ち込めません。日本FP協会の試験要綱によると、計算は試験画面に表示される計算機を使えます。会場ではメモ用紙と筆記用具が貸し出されるのが一般的です。

本番で慌てないために、練習の段階から次の2点をそろえます。

  • 計算問題の練習は、パソコンやスマホの計算機アプリでマウスや指で押して解く
  • 途中の数字は、メモ用紙に書き出してから次の計算に進む

画面上の計算機は手元の電卓と操作感が違い、慣れないと入力に時間がかかります。 1問の計算に何秒かかるかを練習で測っておくと、本番の時間配分が読めます。学科は90分で60問なので、1問平均1分半です。計算問題に3分かけても、暗記問題を1分で解けば全体は間に合います。

働きながら2週間で計算を固める進め方

計算問題だけを集中して固めるなら、平日30分・休日1時間で2週間が1つの目安です。勉強時間は前提知識で変わるため、正答率を見ながら延ばします。

時期やること目安
1〜3日目型1・型2(係数とキャッシュフロー表)の例題を手で解く1日5問
4〜6日目型3・型4(利回りと建ぺい率・容積率)1日5問
7〜9日目型5〜7(退職所得・相続・贈与)1日5問
10〜12日目過去問から計算問題だけを抜き出して解く1日10問
13〜14日目間違えた問題だけを計算機アプリで解き直す1日10問

1日目から全部の型に手を出すと、式が混ざって覚えられません。1つの型を3日で固めてから次の型に進みます。 間違えた問題には、どの型だったかを書き込みます。型の取り違えで間違えたのか、計算ミスなのかで直し方が違うからです。

式を読んでも分からないとき

式の意味が分からないまま暗記しても、少し形を変えた問題で解けなくなります。係数なら「今のお金か、将来のお金か」「1回か、毎年か」の2つの問いで表を読み直します。利回りなら「1年あたりの利益÷買った値段」に言い換えます。

それでも進まないときは、問題文を図にします。キャッシュフロー表なら年ごとの箱を横に並べ、建ぺい率なら敷地の四角の中に建物の四角を描きます。

独学で計算が進まない人の選択肢

計算問題の解説を読んでも手が動かない人は、講義の動画で解き方の手順を見ると理解が進む場合があります。テキストと過去問で計算が解けている人には、講座は必要ありません。

月額制で資格の講義動画と問題演習を使えるサービスの例に、オンスク.JPがあります。2026年9月17日に公式の講座一覧でFP3級・FP2級の講座があることを確認しています。料金や講座内容は変わることがあるため、申し込み前に公式サイトで確認してください。

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よくある質問(FAQ)

計算問題を全部捨てても受かる?

学科だけなら、計算以外の問題で36点に届く可能性はあります。ただし実技は計算の比重が高く、全部捨てると実技で60点に届きにくくなります。7つの型だけは拾うのが安全です。

係数の表は覚える必要がある?

係数の数値そのものは、問題文に表として載ります。覚えるのは数値ではなく、どの係数を使うかの判断です。6つの係数の使い分けの表を1枚にまとめ、問題を解くたびに見返します。

数学が苦手でも大丈夫?

FP3級の計算は、足し算・引き算・掛け算・割り算と、パーセントの計算で解けます。方程式や関数は出ません。苦手意識の原因は計算より「どの式を使うか」の判断にあることが多く、型ごとの練習で解消できます。

実技はFP協会ときんざいのどちらが計算が少ない?

FP協会の資産設計提案業務は、キャッシュフロー表や係数など計算の問題が多めです。きんざいの実技は事例形式で、科目によって計算の出方が違います。科目選びの基準はFP3級の実技の選び方の記事でまとめています。

まとめ

  • FP3級は学科36点・実技60点(FP協会)で合格。計算を全部解く必要はない
  • 先に覚えるのは、係数・キャッシュフロー表・利回り・建ぺい率と容積率・退職所得・相続税の基礎控除・贈与税の基礎控除の7つの型
  • 式を2本以上つなげる計算と例外の多い計算は、順番を最後に回す
  • CBTは画面上の計算機を使うので、練習から計算機アプリで解く
  • 1つの型を3日で固め、2週間で計算問題をひと通り拾える状態にする

まずは型1の係数の表を書き写し、例題を2問だけ手で解くところから始められます。

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※本記事は情報提供を目的としたもので、試験の合格や学習の成果を保証するものではありません。試験制度・料金は変更される場合があるため、受験前に必ず公式サイトでご確認ください。