簿記・会計

簿記3級の第2問は捨てる?20点中10点を取る解き方と順番

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過去問を解くたびに、第2問だけ点が安定しない。勘定記入は何を書けばいいのか分からず、補助簿の問題は毎回どこかで1つ外す。「第2問は捨てて、第1問と第3問で70点を取ればいい」という話を聞いて、迷っている人に向けて書いています。

結論から言うと、第2問を丸ごと捨てるのはおすすめしません。配点20点のうち、短時間で取れる小問だけを拾って10点前後を持ち帰るのが現実的な戦い方です。

この記事でわかることは3点です。

  • 第2問を捨てると合格ラインがどれだけ厳しくなるか
  • 第2問で出る5つの形と、取りにいく順番
  • 20点中10点を狙う解き方と、2週間の練習手順

結論は全部捨てずに半分狙い

第2問は「全部捨てる」でも「満点を狙う」でもなく、20点中10点前後を狙う大問です。

日商簿記3級は試験時間60分で、70%以上が合格です。大問は3題で、配点は第1問45点、第2問20点、第3問35点の構成が続いています。第1問と第3問を足すと80点なので、第2問が0点だと落とせるのは残り10点だけになります。

第1問の仕訳は1題3点です。仕訳を2題落とし、第3問で5点落とすだけで、第2問なしでは合格ラインを割ります。第2問を捨てる作戦は、ほかの2題でほぼミスをしない人向けの賭けです。

(最終確認日:2026-09-23。試験時間・合格基準は日本商工会議所の公式サイトで確認。大問ごとの配点は近年の出題構成にもとづく目安です)

第2問が0点だと届かない配点

第1問と第3問の出来ごとに、第2問で必要な点数を並べると次のようになります。

第1問(45点)第3問(35点)2題の合計第2問で必要な点
39点(13題正解)28点67点3点
36点(12題正解)25点61点9点
33点(11題正解)22点55点15点

たとえば仕訳を12題当てて第3問で25点なら、第2問で9点が必要です。

第2問で10点を持ち帰れる人は、第1問と第3問に少し余裕を持って臨めます。第2問の10点は、ほかの大問のミスを吸収する保険として働きます。

反対に、第2問を満点にしても第1問が崩れれば届きません。時間配分の優先順位は第1問、第3問、第2問の順で変わりません。第3問の時間配分は簿記3級の第3問が解けない|35点を取る順番と時間配分で解説しています。

第2問で出る5つの形と優先順位

第2問は小問2つで構成される回が多く、出題の形が回ごとに変わります。これまでに出てきた主な形は次の5つです。

  • 語句選択(簿記の用語を穴埋めする文章問題)
  • 補助簿の選択(取引が記入される帳簿を選ぶ)
  • 商品有高帳(先入先出法・移動平均法で払出単価を計算する)
  • 伝票(入金伝票・出金伝票・振替伝票の起票)
  • 勘定記入(勘定口座に日付・相手科目・金額を書き入れる)

このほか、小口現金出納帳や売掛金元帳、固定資産台帳の記入も出題範囲に入っています。小問ごとの配点は回によって違い、10点ずつの回もあれば12点と8点に分かれる回もあります。

5つの形は、かかる時間と部分点の取りやすさで差があります。

日商簿記3級 | 第2問の出題形式

第2問は形によって取りやすさが違う

短時間で埋まる形から手をつけ、時間のかかる形は部分点狙いに切り替えます

かかる時間部分点の取りやすさ
語句選択 用語の穴埋め ○ 知っていれば数分で終わる ○ 空欄1つごとに点になる
補助簿の選択 仕訳から帳簿を選ぶ ○ 仕訳が書ければ短時間 △ 付随費用などの引っかけで外しやすい
商品有高帳 払出単価の計算 △ 行数が多いと時間がかかる ○ 手順が決まっていて再現しやすい
伝票 3伝票制の起票 ○ 起票方法を知っていれば短め △ 一部現金取引の処理で差がつく
勘定記入 勘定口座の穴埋め × 取引を仕訳に直す手間が大きい △ 繰越と損益の欄だけは拾える
  • ※独学の受験者がつまずきやすい傾向を整理した目安です。得意な形は自分の過去問の得点で判断してください

コツコツ資格

本番では、第2問の小問2つを見比べて取りやすいほうから解きます。問題用紙の順番どおりに(1)から手をつける必要はありません。勘定記入が出たら後回しにし、語句選択や補助簿の選択を先に片づけます。

形ごとの解き方と部分点の拾い方

第2問の点は、形ごとの「型」を1回ずつ体に入れた回数で決まります。ここでは5つの形それぞれで、最低限押さえる手順を挙げます。

語句選択は仕訳とセットで暗記

語句選択は、用語の意味を仕訳と結びつけて覚えている人ほど速く解けます。丸暗記した用語は、文章の言い回しが変わると選べなくなるためです。

たとえば「期首に前期の経過勘定を元の勘定へ戻す仕訳」と書かれていれば、答えは再振替仕訳です。用語を覚えるときは、その用語が出てくる仕訳を1つ書き添えておきます。

主要簿(仕訳帳と総勘定元帳)と補助簿の区別も、語句選択の題材になる論点です。

補助簿の選択は仕訳から逆算

補助簿の選択は、取引を仕訳に直してから、仕訳に出てきた科目ごとに帳簿を当てはめます。頭の中だけで帳簿を選ぶと、1つ抜けます。

当てはめの基本は次のとおりです。

  • 現金が動く → 現金出納帳
  • 当座預金が動く → 当座預金出納帳
  • 売上・仕入が動く → 売上帳・仕入帳と商品有高帳
  • 売掛金・買掛金が動く → 売掛金元帳・買掛金元帳
  • 受取手形・支払手形が動く → 受取手形記入帳・支払手形記入帳
  • 備品などの固定資産が動く → 固定資産台帳

外しやすいのは、仕入の付随費用です。引取運賃を現金で払って商品を仕入れた場合、仕入帳と商品有高帳に加えて、現金出納帳にも記入します。付随費用は仕入原価に含めるため、商品有高帳の単価にも影響します。

商品有高帳は払出も原価で記入

商品有高帳でいちばん多いミスは、払出欄に売価を書いてしまうことです。商品有高帳は受入も払出も残高も、すべて原価で記入します。

先入先出法は、先に仕入れた単価の商品から払い出します。単価の違う在庫が残っているときは、残高欄を単価ごとに2行に分けて書きます。

移動平均法は、仕入のたびに残高の金額合計を数量合計で割り、新しい単価を出します。払出のときに単価を計算し直す必要はありません。

売上原価や売上総利益を問う設問が付くこともあります。払出欄の金額合計が売上原価になると押さえておけば、最後の設問まで取り切れます。

伝票は一部現金取引が分かれ目

3級の伝票は、入金伝票・出金伝票・振替伝票の3伝票制です。現金の入金は入金伝票、現金の支払は出金伝票、現金が動かない取引は振替伝票に書きます。

差がつくのは、代金の一部を現金で受け取るような取引です。起票の方法は2つあります。

  • 取引を分解する方法:現金部分を入金伝票、残りを振替伝票に分けて書く
  • いったん全額を掛けとみなす方法:全額を振替伝票で掛け取引とし、現金部分を入金伝票で回収として書く

一方の伝票が記入済みで示されていれば、その伝票からどちらの方法かを判断できます。記入済みの伝票を先に確認してください。

勘定記入は繰越と損益から記入

勘定記入は、取引を読んで仕訳にし、勘定口座へ転記する大問です。手間がかかるぶん、全部を埋めにいくと時間を使い切ります。

部分点を拾うなら、決まった位置に入る項目から埋めます。

  • 資産・負債・純資産の勘定:期首に「前期繰越」、期末に「次期繰越」
  • 収益・費用の勘定:期末に「損益」への振り替え
  • 前払保険料などの経過勘定:期首に元の費用勘定へ戻す再振替

この3つは、取引の細部を読み切れなくても書ける欄です。空欄のまま提出するより、確実に書ける欄を先に埋めたほうが点は残ります。

第2問を固める2週間の練習例

第2問は、予想問題集や過去問から第2問だけを抜き出し、形ごとにまとめて解くと早く固まります。通しの過去問で1回ずつ出会うだけでは、同じ形に2回目に会うまでの間隔が空きすぎるためです。

仕訳が一通り書ける段階の人を想定した、2週間の例です。1日30〜40分ほどを目安にしています。

期間取り組む形やること
1〜3日目語句選択・補助簿の選択用語に仕訳を書き添える/補助簿は仕訳から当てはめる
4〜6日目商品有高帳先入先出法と移動平均法を1問ずつ交互に解く
7〜9日目伝票一部現金取引の2つの起票方法を両方書く
10〜13日目勘定記入繰越・損益・再振替の欄を先に埋める練習
14日目通し演習第1問→第3問→第2問の順で60分を計る

最後の通し演習で、第2問に使える時間は12分前後です。この時間で10点に届くかを確かめ、届かない形があれば、その形だけ翌週にもう1周します。

統一試験の次回は2026年11月15日(日)の第174回です。ネット試験は随時受けられますが、2026年11月9日(月)から11月18日(水)は施行休止期間です。ネット試験の受験料は3級で3,300円(税込)です(最終確認日:2026-09-23)。

独学で止まりやすいポイント

第2問の対策で独学が止まるのは、解説を読んでも「なぜその帳簿に書くのか」が腑に落ちないときです。とくに次の4つは、手順だけ覚えると本番で崩れます。

  • 付随費用が仕入原価に含まれる理由
  • 移動平均法で単価を計算し直すタイミング
  • 一部現金取引を掛けとみなす方法の意味
  • 期首の再振替が何を戻しているのか

いずれも、元をたどると仕訳の理解に行き着きます。第2問だけ点が低いなら、仕訳の段階で科目の意味があいまいなまま進んでいないかを確かめてください。仕訳に不安がある人は簿記3級の仕訳が覚えられない人へ|丸暗記しない覚え方から戻ってください。

テキストを読み直しても理解が戻らない論点だけ、動画講義で聞き直す方法もあります。独学のペースが保てている人には不要な出費です。1つの論点で2週間以上止まっている人だけ検討してください。

オンスク.JPは月額制のオンライン講座で、日商簿記3級講座に帳簿(補助簿・商品有高帳)と伝票の回が含まれます。料金はウケホーダイ・ライトが月額1,078円(税込)です。講座内の仕訳問題の機能は、月額1,628円(税込)のウケホーダイ・スタンダードでのみ使えます(最終確認日:2026-09-23)。

よくある質問

Q. 第2問は何分で解けばいいですか

60分のうち12分前後が目安です。第1問を15分、第3問を25分で解くと、見直しに8分ほど残ります。第2問で12分を超えたら、埋まった欄だけで切り上げて見直しに回ります。

Q. ネット試験でも第2問の形は同じですか

大問の構成は統一試験と同じ3題です。ネット試験は選択式と入力式で、勘定科目はプルダウンから選び、金額は入力します。画面上では書きかけの数字を見返しにくいので、下書き用紙に仕訳を書いてから入力してください。

Q. 勘定記入がどうしても解けません

勘定記入は後回しでかまいません。前期繰越・次期繰越・損益の欄だけを確実に埋める練習をすれば、白紙よりは点が残ります。小問のもう片方が語句選択や補助簿の選択なら、そちらで満点を狙うほうが効率的です。

Q. 第2問の対策はいつから始めればいいですか

仕訳が一通り書けるようになってからです。第2問のどの形も、中身は仕訳の応用です。勉強全体の組み立ては簿記3級の勉強時間は独学で何時間?日商簿記3級の80〜120時間プランにまとめています。

まとめ

第2問で押さえる点は4つです。

  • 丸ごと捨てると、第1問と第3問で10点しか落とせなくなる
  • 目標は20点中10点前後で、ほかの大問のミスを吸収する保険にする
  • 語句選択と補助簿の選択から解き、勘定記入は繰越と損益の欄から埋める
  • 過去問から第2問だけを抜き出し、形ごとにまとめて解く

次の過去問演習では、第2問の小問2つを見比べて、取りやすいほうから解いてみてください。12分で何点取れたかを記録すると、2週間の練習でどの形を重点にするかが見えてきます。

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※本記事は情報提供を目的としたもので、試験の合格や学習の成果を保証するものではありません。試験制度・料金は変更される場合があるため、受験前に必ず公式サイトでご確認ください。