宅建の借地借家法が覚えられない|借地と借家の覚え方と2点
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宅建の権利関係で、借地借家法だけが頭に残らないという声は多く聞かれます。30年・20年・10年・50年と数字が並び、借地と借家のどちらの話だったか分からなくなるためです。
ただ、借地借家法は範囲がせまく、出題は毎年2問で固定されています。民法10問より復習の効率は高く、直前期からでも2点を取りにいける範囲です。
この記事でわかること。
- 借地と借家を混同しなくなる、覚える順番
- 存続期間の数字を「原則ひとつ+例外」で減らす整理法
- 2026年10月18日の本試験までの、残り1ヶ月の回し方
借地借家法は捨てずに2点を取りにいく範囲
借地借家法は、権利関係のなかで最初に得点源にすべき範囲です。理由は出題数と範囲のバランスにあります。
宅建の権利関係は全14問で、内訳は民法10問、借地借家法2問、区分所有法1問、不動産登記法1問という構成が続いています(日建学院・アガルートアカデミーの出題分析より)。借地借家法の2問は、借地から1問、借家から1問という形が基本です。
民法10問は条文数も論点も多く、直前期に詰め込んでも得点が安定しません。一方の借地借家法は、条文にすると数十条です。覚える対象がはっきりしていて、努力が点になりやすい範囲といえます。
権利関係そのものを絞る作戦をとる人も、借地借家法は残す判断が現実的です。範囲を絞る全体の考え方は宅建の権利関係は捨てる?民法で捨てていい論点と目標点7〜8点で整理しています。
覚えられない原因は3つ
借地借家法が頭に入らないとき、原因はほぼ次の3つのどれかです。自分がどれに当てはまるかで、打つ手が変わります。
借地と借家の同時暗記
一番多い原因が、テキストの順番どおりに借地と借家を行き来しながら覚えることです。借地借家法は1つの法律ですが、中身は「土地を借りる話」と「建物を借りる話」で完全に別物です。
存続期間も、対抗要件も、契約の終わらせ方も違います。同じ引き出しに入れると、30年が借地の数字か借家の数字か分からなくなります。借地を3日、借家を3日と、日を分けて片方ずつ仕上げるほうが結果的に早く終わります。
数字だけの丸暗記
30年・20年・10年という数字を単体で暗記すると、1週間で抜けます。数字は「誰を守るための年数か」とセットにすると残ります。
借地借家法は、立場の弱い借主を保護するための法律です。借地権の存続期間が最低30年と長いのも、借主が建物を建てて長く使う前提だからです。理由から入ると、選択肢の「25年と定めた場合」が誤りだと気づけます。
定期の種類のまとめ詰め込み
定期借地権は3種類、さらに定期建物賃貸借があります。ここを1日でまとめて覚えようとすると、期間と契約方式が入り乱れます。
定期借地権3種類は、期間ではなく契約の形式(公正証書が必要か)と用途制限から入ると区別しやすくなります。後述の比較図の順で覚えてください。
借地の覚え方|起点は30年
借地(普通借地権)は、覚える数字を3つに絞れます。起点は最初の存続期間30年です。
- 当初の存続期間は30年以上。30年より短い期間を定めても、また期間を定めなくても30年になる
- 最初の更新後は20年以上。20年より短い定めは20年になる
- 2回目以降の更新後は10年以上。10年より短い定めは10年になる
長い期間を定めるのは有効で、短い定めだけが効かない、という向きを押さえると選択肢を切れます。借主保護の法律なので、借主に不利な特約は無効になるという原則と一致します。
対抗要件も借地の頻出です。借地権は土地の賃借権の登記がなくても、借地上の建物を借地権者名義で登記していれば第三者に対抗できます。土地が売られても、建物の登記があれば新しい地主に借地権を主張できるという理解です。
もうひとつ、建物買取請求権があります。存続期間が満了し更新がされない場合、借地権者は地主に建物を時価で買い取るよう請求できます。更新がある普通借地権と、更新がない定期借地権で扱いが変わる点が問われます。
借家の覚え方|軸は終わらせ方
借家(建物賃貸借)は、期間の長さより契約の終わらせ方を軸にすると混乱しません。借地のように長い年数を覚える必要はありません。
期間の定めがある場合の要点は2つです。
- 1年未満の期間を定めると、期間の定めがない建物賃貸借とみなされる(定期建物賃貸借を除く)
- 更新を拒むには、期間満了の1年前から6ヶ月前までの間に相手へ通知し、さらに貸主側には正当事由が必要
期間の定めがない場合は、解約の申入れです。貸主から申し入れるときは正当事由が必要で、申入れから6ヶ月の経過で契約が終わります。借主からの解約申入れは民法の原則どおり3ヶ月で終了し、正当事由は不要です。
「貸主には正当事由が要る、借主には要らない」という非対称が、借家の出題の芯です。数字を思い出せなくても、この非対称だけで切れる選択肢があります。
対抗要件は借地と対で覚えます。借地は建物の登記、借家は建物の引渡しです。部屋を引き渡してもらっていれば、建物が売られても賃借権を主張できます。
造作買取請求権も押さえておく論点です。エアコンなどの造作を貸主の同意を得て取り付けた場合、契約終了時に時価での買取を請求できます。ただし、この権利は特約で排除でき、実務でも排除する契約が一般的です。
定期借地権3種類の覚える順番
定期借地権は、期間から覚えると取り違えます。まず公正証書でなければならないのはどれかを覚え、次に用途制限、最後に期間という順にしてください。
宅建 権利関係 | 借地借家法
定期借地権3種類の見分け方
契約の形式と用途制限から覚えると取り違えにくくなります
| 契約の形式 | 用途の制限 | 存続期間 | |
|---|---|---|---|
| 一般定期借地権 更新なし・更地で返す | △ 書面が必要(公正証書でなくてよい) | ○ 用途は自由 | △ 50年以上 |
| 事業用定期借地権 居住用は不可 | × 公正証書に限る | × 専ら事業用の建物のみ | △ 10年以上50年未満 |
| 建物譲渡特約付借地権 建物を地主へ譲渡して消滅 | ○ 書面は要件とされていない | ○ 用途は自由 | △ 30年以上 |
- ※一般定期借地権の書面は、電磁的記録によることも認められています
- ※事業用定期借地権は建物の一部でも居住用があると使えません
コツコツ資格
見分けの手がかりを言葉でも書いておきます。
- 公正証書に限るのは事業用定期借地権だけ。ほかは公正証書でなくてよい
- 用途が制限されるのも事業用定期借地権だけ。一部でも居住用が入ると使えない
- 期間は、一般が長く(50年以上)、事業用が短く(10年以上50年未満)、建物譲渡特約付が中間(30年以上)
事業用だけが3項目すべてで特殊、と覚えると1問分の判断が速くなります。国土交通省も定期借地権の類型として、この3つを整理して公表しています。
定期借家の要件|事前の書面説明
定期建物賃貸借(定期借家)は、更新がない建物賃貸借です。普通借家との違いを、要件と効果の両面で押さえます。
宅建 権利関係 | 借地借家法
普通借家と定期借家の違い
要件を欠くと定期借家にならず、普通借家として扱われます
| 更新 | 1年未満の期間 | 契約時の手続き | |
|---|---|---|---|
| 普通借家 原則の建物賃貸借 | ○ 更新される(拒むには正当事由) | × 期間の定めがないものとみなされる | ○ 書面でなくても成立 |
| 定期借家 期間満了で確定的に終了 | × 更新がない | ○ 1年未満の期間も定められる | × 契約は書面、さらに事前の書面説明が必要 |
- ※契約書面・説明書面は、相手の承諾を得て電磁的方法によることも認められています
コツコツ資格
定期借家でもっとも出るのが、事前の説明です。貸主は契約の前に、契約書とは別の書面を交付し、更新がなく期間満了で終了することを説明しなければなりません。この説明を欠くと、更新がないという定めは無効になり、普通借家として扱われます。
「契約書に書いてあるから大丈夫」という選択肢は誤りです。別紙の書面と事前の説明という2点をセットで覚えてください。
中途解約の例外も頻出です。床面積200平方メートル未満の居住用建物で、転勤・療養・親族の介護などやむを得ない事情により生活の本拠として使えなくなった場合、借主は解約を申し入れることができます。契約は申入れの日から1ヶ月の経過で終了します。事業用の建物には、この例外はありません。
残り1ヶ月の回し方(9月中旬から本試験まで)
2026年度の宅建試験は2026年10月18日(日)13時から15時までの2時間です。9月中旬の時点で借地借家法が白紙でも、間に合う分量です(最終確認日:2026-09-15)。
直前期は新しい教材を足さず、手持ちの過去問を分野別に抜き出して回します。過去問の使い方は宅建の過去問は何年分やるべき?独学の正しい使い方にまとめています。
| 時期 | やること | 目安時間 |
|---|---|---|
| 1週目 | 借地だけ。存続期間・対抗要件・建物買取請求権を過去問で確認 | 1日20分 |
| 2週目 | 借家だけ。更新拒絶・解約申入れ・造作買取請求権 | 1日20分 |
| 3週目 | 定期借地権3種類と定期借家。比較表を白紙に書き出す | 1日20分 |
| 本試験週 | 借地借家法の過去問を通しで1回。間違えた肢だけ読み直す | 合計60分 |
3週目の白紙復元が仕上げになります。何も見ずに、定期借地権3種類の表を自分で書いてみてください。書けない欄が、本試験で落とす場所です。テキストを眺めるだけの復習より、抜けの発見が速くなります。
直前期全体の組み立ては宅建 直前期(9月・10月)の過ごし方|独学の追い込み手順を参照してください。
テキストの説明で止まってしまう人の選択肢
独学で借地借家法だけがどうしても入らない場合、その範囲を講義で聞き直す方法があります。図と口頭の説明が入ると、条文の言い回しでつまずいていた部分が動くことがあります。
月額制のオンライン講座なら、直前期の1ヶ月だけ使うという入り方もできます。オンスク.JPは宅建を含む講座を月額のウケホーダイで提供しており、料金はライトが月額1,078円、スタンダードが月額1,628円です(いずれも税込・最終確認日:2026-09-15)。講義動画と一問一答の問題演習がセットになっています。
広告 / PR独学のペースが崩れていない人は、手持ちのテキストと過去問で十分です。直前期に教材を増やすと、どれも中途半端になります。
深入りすると損をする論点
借地借家法にも、直前期に触らないほうがよい部分があります。出題頻度が低く、理解に時間がかかる論点です。
- 借地条件の変更や増改築についての裁判所の許可(借地非訟)の細かい手続
- 一時使用目的の借地権・借家の例外の細部
- 転貸借が絡む複雑な事例の処理
2問しかない範囲に、10時間以上をかけないという線引きが要ります。借地の存続期間と対抗要件、借家の解約と正当事由、定期の種類だけで、多くの年の2問は射程に入ります。
一方で、民法の賃貸借との関係は軽く押さえておく価値があります。借地借家法は民法の特別法で、書かれていない部分は民法の賃貸借のルールが適用されます。借主からの解約申入れが3ヶ月というのも民法側のルールです。
よくある質問
Q. 借地借家法は捨てても合格できますか。 2問なので捨てても合格は不可能ではありません。ただ、範囲がせまく得点効率が高いため、権利関係のなかでは最後まで残す優先度の高い範囲です。捨てる候補にするなら、先に民法の細かい論点を外すほうが合理的です。
Q. 借地と借家はどちらから始めるべきですか。 借地からをすすめます。存続期間の数字が体系化されていて、覚える順番がはっきりしているためです。借家は数字が少ないぶん、正当事由や解約申入れといった概念の理解が中心になります。
Q. 語呂合わせは覚えたほうがいいですか。 数字を思い出す入口としては使えます。ただ、語呂だけでは「30年より短い定めをしたらどうなるか」という効果の部分に答えられません。語呂は入口、効果は理由で覚えるという役割分担にしてください。
Q. 借地借家法は改正がありますか。 契約や説明に必要な書面について、電磁的記録・電磁的方法によることが認められる形に整備されています。古いテキストを使っている場合は、書面要件の記述が最新かを確認してください。試験範囲の基準日は毎年の受験案内で示されます。
まとめ
借地借家法が覚えられない原因は、記憶力ではなく順番にあります。借地と借家を分け、数字を借主保護の理由とセットにし、定期の種類は契約の形式から入る。この3つで、直前期からでも2問分は整理できます。
残り1ヶ月であれば、1日20分を3週間でも形になります。白紙に比較表を書けるところまで来たら、本試験で迷う時間が減ります。
※本記事は情報提供を目的としたもので、試験の合格や学習の成果を保証するものではありません。試験制度・料金は変更される場合があるため、受験前に必ず公式サイトでご確認ください。
あわせて読みたい
参考にした情報
- 一般財団法人 不動産適正取引推進機構「試験の概要」(試験日・試験時間・受験手数料)
- 国土交通省「定期借地権の解説」(定期借地権3種類の類型)
- 日建学院・アガルートアカデミー 宅建試験の権利関係 出題内訳(2026年度受験者向け解説)