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電験三種は科目合格で攻める|働きながら2年計画の科目順

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「電験三種を取りたいけれど、合格率が1割台と聞いて尻込みしている」「働きながら4科目も同時に仕上げられる気がしない」——そんな社会人の方に向けた記事です。

先に結論をお伝えすると、電験三種は「4科目を一度に取る試験」ではなく、科目別合格制度を使って数年かけて積み上げる試験です。この制度を前提に計画を組めるかどうかで、働きながらの独学の現実味は大きく変わります。この記事では、科目合格制度の仕組み・科目を受ける順番・2年計画と3年計画のスケジュール例・つまずきやすい落とし穴を、社会人の独学目線で整理します。

本記事は特定の教材や講座の受講を保証・断定するものではなく、独学の進め方を客観的に解説するものです。試験制度・日程・受験手数料は変更されることがあるため、最終的には公式(一般財団法人 電気技術者試験センター)でご確認ください。

先に結論:一発合格を狙わない人のほうが、実は多い

要点を先にまとめます。

  • 4科目同時合格の合格率は1割台:令和7年度上期試験では、4科目合格者は3,201人・合格率12.9%でした(電気技術者試験センター公表)。数字だけ見ると厳しい試験です。
  • 一方で「科目合格」は約3割:同じ令和7年度上期で、科目合格者は6,859人・科目合格率は27.7%でした。1科目ずつなら手が届く人はぐっと増えるということです。
  • 合格した科目は最大5回分まで免除される:一部の科目だけ合格した場合は「科目合格」となり、最初に合格した試験以降、申請により最大で連続して5回まで、その科目の試験が免除されます(公式表記)。
  • 年2回(上期・下期)実施:試験は年2回あるため、5回の免除枠はおおむね2年半分の受験機会にあたります。つまり2年計画・3年計画が現実的な戦い方になります。

働きながらの受験で無理に一発合格を狙うと、どの科目も中途半端になって全滅する——これが一番もったいないパターンです。最初から数年計画で設計しておくほうが、結果的に早く4科目そろうことがあります。

電験三種の試験の基本情報

まず全体像を確認しましょう(最終確認日:2026-07-25。最新は必ず電気技術者試験センター公式でご確認ください)。

項目内容
実施団体一般財団法人 電気技術者試験センター
試験科目理論・電力・機械・法規の4科目
解答方式マークシート(筆記方式)またはパソコン(CBT方式)の五肢択一
実施回数年2回(上期・下期)
令和8年度 上期CBT方式:2026年7月16日〜8月9日/筆記方式:2026年8月30日
受験手数料インターネット申込 7,700円/書面申込 8,100円(いずれも非課税)
受験資格制限なし(誰でも受験可)

試験時間は理論・電力・機械が各90分、法規が65分とされています(各回の受験案内でご確認ください)。合格基準は原則として各科目100点満点中60点以上ですが、回によって調整されることがあります。

下期試験は例年3月ごろに実施されています(令和7年度下期は2026年3月に実施)。上期・下期のどちらからでも始められるので、「4月から勉強を始めて夏に1科目」「秋から始めて春に1科目」といった入り方ができます。

受験手数料・日程は改定されることがあります。申込前に必ず公式サイトで最新をご確認ください(最終確認日:2026-07-25)。

科目別合格制度の仕組みと、見落としやすい注意点

電験三種の戦略の核心は、この制度の理解にあります。

免除は「年数」ではなく「回数」で数える

公式の表記は「最初に合格した試験以降、その申請により最大で連続して5回まで当該科目の試験が免除される」というものです。ここで大事なのは、カウントの単位が年ではなく試験の回数だという点です。試験は年2回あるので、5回はおおむね2年半分にあたります。

「3年あるから余裕」と数え間違えると、最後の1科目を残した状態で免除が切れ、また4科目に戻る——という事態が起こり得ます。合格した科目ごとに「あと何回分の免除が残っているか」をメモしておきましょう。

免除は自動ではなく「申請」が必要

科目合格による免除は、受験申込のときに自分で申請して初めて適用されます。申込画面で免除の設定を忘れると、免除できたはずの科目まで受けることになります。申込のたびに必ず確認してください。

免除を使わずに受け直すこともできる

免除の権利があっても、あえてその科目を受け直すことは可能です。ただし受け直して合格基準に届かなかった場合の扱いは回によって異なることがあるため、リスクを取る必要は基本的にありません。確保した科目は守り、残りに集中するのが原則です。

科目を受ける順番:理論を最初に固める

4科目には土台と応用の関係があります。順番を間違えると、遠回りになります。

1. 理論(最初に取るべき土台)

直流・交流回路、電磁気、電子回路など、他の3科目すべての前提になる知識です。理論を後回しにすると、電力や機械の計算問題で毎回つまずくため、原則として最初に手をつけます。数学(三角関数・複素数・ベクトル)に不安がある人は、ここで数学の復習も一緒に済ませてしまうのが結局は近道です。

2. 電力(暗記の比重が大きく、積み上げやすい)

発電・変電・送配電・電気材料の分野です。計算問題もありますが、用語や設備の知識で得点できる部分が比較的多く、理論の次に手をつけると勉強が進んでいる実感を得やすい科目です。

3. 機械(最難関。時間を最も多く配分する)

変圧器・誘導機・同期機・直流機・パワーエレクトロニクス・制御・情報と、範囲が非常に広い科目です。一般に4科目のなかで最も難しいとされることが多く、ここに一番厚く時間を配分する前提で計画を組みます。逆に言えば、機械を単独で受けられる年をつくれるのが科目合格制度の最大の利点です。

4. 法規(最後に。ただし「暗記だけ」ではない)

電気事業法や電気設備技術基準などの法令科目です。暗記中心と思われがちですが、B問題(計算問題)の比重が小さくなく、ここで点を落として不合格になる人が多いのが実情です。「直前1か月の詰め込みで何とかなる」と甘く見ないほうがよい科目です。電力・機械の知識が入っているほど理解しやすいため、後半に置く合理性があります。

2年計画と3年計画のスケジュール例

平日1〜1.5時間・休日3時間ほどを確保できる社会人を想定した一例です(あくまで目安で、個人差があります)。

2年計画(年2科目ずつ・標準的な進め方)

時期受験する科目学習の重心
1年目 上期理論数学の復習+理論の基礎を徹底
1年目 下期電力理論の維持+電力の暗記と計算
2年目 上期機械最も時間をかける。半年フルで機械
2年目 下期法規法令暗記+B問題の計算演習

この形なら、1回の受験につき1科目に集中できます。理論を最初に取った場合、免除は5回まで有効なので、2年目下期(=理論合格から4回目の試験)までに4科目そろえば免除切れを起こしません。1回分の余裕を残せるのがこの計画の安心材料です。

3年計画(1回1科目・仕事が特に忙しい人向け)

上期のみ、あるいは下期のみを受け続けて1年に1科目ずつ取る形です。1回あたりの負担は最も軽くなりますが、理論に合格してから4科目そろえるまでに5回を超えてしまうと免除が切れます。3年計画にするなら、途中でどこか1回は2科目受験を挟む、あるいは理論を取った後は年2回受験に切り替えるなど、免除の回数から逆算した設計が必要です。

電験三種 | 科目合格の使い方

2年計画と3年計画、どちらが向く?

1回あたりの負担と、免除切れリスクのバランスで選びます

1回あたりの負担免除切れのリスク知識のつながり
2年計画(年2科目ずつ) 標準 半年で1科目を仕上げる 5回の枠内に収まりやすい 理論の記憶が新しいうちに応用へ
3年計画(年1科目ずつ) 多忙な人向け 1年に1科目でよい × 5回を超えて免除が切れやすい 間隔が空き復習が必要になる
  • ※免除は「年数」ではなく試験の回数(最大5回)で数えます。3年計画にする場合は、どこかで2科目受験を挟むなど回数から逆算した設計が必要です。

コツコツ資格

つまずきポイントと、人を選ぶところ

正直に書いておきたい点です。

  • 数学でつまずくと理論が進まない:三角関数・複素数・対数に苦手意識がある場合、まず中学〜高校数学の復習に1〜2か月かかることがあります。ここを飛ばすと理論が丸暗記になり、結局伸びません。
  • 機械の範囲の広さは想像以上:半年かけても手応えが出ないことがあります。機械だけは早めに、そして長く時間を取る前提で計画してください。
  • 法規のB問題を軽視しがち:法令の暗記だけで挑むと計算問題で崩れます。過去問で計算パターンを押さえる時間を必ず確保しましょう。
  • モチベーションの維持が難しい:2年以上かかる試験なので、途中で生活の変化(異動・転居・家族の事情)が起きることも珍しくありません。科目合格が1つでも取れると継続の支えになるため、最初の1科目を早く取ることには心理的な意味もあります。
  • 必要な勉強時間の目安は大きい:一般に合計で1,000時間前後、少なくとも数百時間は必要とされることが多い試験です(前提知識により差が大きい)。仕事の繁忙期が長く続く方には、独学だけで押し切るのは負担が大きいかもしれません。

独学と通信講座、どちらが向く?

電験三種は市販テキストが充実しているため独学も十分可能ですが、理論の数学部分や機械の広い範囲を、文字だけで理解するのがつらいという声は少なくありません。動画で図と一緒に説明を聞けるeラーニングは、通勤時間を学習に変えられる点でも社会人と相性があります。

一方で、費用は独学より確実にかかります。「自分でテキストを読み進められるか」「2年以上のペース管理を自力でできるか」を基準に選ぶとよいでしょう。

現場系の国家資格(電気主任技術者・電気工事士・施工管理など)を動画中心で学べる講座もあります。テキストを読み込む時間が取りにくい人、機械や理論を目と耳から理解したい人はこちらもチェックしてみてください。

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よくある質問(FAQ)

Q. 科目合格の免除は何年間有効ですか? A. 「年数」ではなく回数で数えます。最初に合格した試験以降、申請により最大で連続して5回まで免除されます。試験は年2回あるため、おおむね2年半分の受験機会にあたります。

Q. 文系・未経験でも受かりますか? A. 受験資格に制限はないため挑戦できますが、理論の数学が壁になりやすいのは事実です。数学の復習期間を計画にあらかじめ組み込んでおくと進めやすくなります。合格を保証できるものではありません。

Q. CBT方式と筆記方式、どちらがよいですか? A. 出題形式(五肢択一)は同じで、受験日を選べるのがCBTの利点です。一方、計算過程を紙に書く量が多い試験なので、パソコン画面での解答に慣れが必要と感じる人もいます。まず1科目をCBTで試して相性を見る手もあります。

Q. どの科目から受けるのがよいですか? A. 他科目の土台になる理論から入るのが一般的です。ただし、電気の実務経験があって電力の知識が既にある方など、前提知識によって最適な順番は変わります。

Q. 免除の申請を忘れたらどうなりますか? A. 免除は受験申込時の申請が前提です。申込のたびに免除設定を確認してください。

まとめ:科目合格を前提に設計すれば、働きながらでも届く

電験三種の4科目同時合格の合格率は1割台ですが、科目合格まで含めれば約3割の人が何らかの成果を持ち帰っています。一発合格を目標にせず、理論→電力→機械→法規と積み上げる2年計画に切り替えるだけで、働きながらの独学の現実味はかなり変わります。

大切なのは、免除が「回数」で数えられることを忘れず、最初の1科目を確実に取ること。まずは理論から、数学の復習を含めた半年の計画を立ててみてください。

「テキストだけでは理論や機械が頭に入らない」という方は、動画中心のeラーニングを併用するのも一つの手です。ご自身の生活リズムに合った、無理なく続く方法を選んでみてください。

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※本記事は情報提供を目的としたもので、試験の合格や学習の成果を保証するものではありません。試験制度・料金は変更される場合があるため、受験前に必ず公式サイトでご確認ください。

参考にした情報

  • 一般財団法人 電気技術者試験センター(公式/第三種電気主任技術者試験 試験概要・令和8年度受験案内・令和7年度上期試験結果)2026-07-25確認
  • 各種資格スクールの試験時間・科目別難易度の解説(2026-07-25確認)