証券外務員二種の計算問題が苦手|捨てていい問題と先に覚える型
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証券外務員二種の勉強で、計算問題だけ手が止まる人へ。結論から書くと、計算問題を全部捨てるのはおすすめしません。計算は1問10点の五肢選択で出るため、まとめて落とすと○×でほぼ満点が必要になるからです。
ただし、すべての計算を同じ重さで覚える必要はありません。株式の指標と債券の利回りは式の形が似ているため、先に固めると少ない労力で点になります。信用取引やデリバティブの細かい計算は、二種では後回しにしてかまいません。
試験制度の記述は、日本証券業協会の公式ページで確認した内容です(最終確認日:2026-10-21)。
計算を全部捨てると合格点に届きにくい
計算問題を捨てられない理由は、配点の偏りにあります。日本証券業協会の公式ページによると、二種の仕組みは次のとおりです。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 試験時間 | 2時間 |
| 出題数 | 70問(○×方式50問・五肢選択方式20問) |
| 配点 | ○×は1問2点、五肢選択は1問10点(五肢択二は各5点) |
| 合格基準 | 300点満点の7割(210点)以上 |
最終確認日:2026-10-21。
○×50問を全問正解しても100点です。 残り110点以上は、20問の五肢選択から取るしかありません。計算問題は五肢選択で出ることが多く、対策講座の解説では5〜8問程度とされます。公式には科目ごとの出題数は公開されていないため、ここは目安として読んでください。
○×の正解数ごとに、五肢選択で何問正解すれば210点に届くかを計算すると、次のようになります(五肢択二の部分点は考えない場合)。
| ○×の正解数 | ○×の得点 | 五肢選択で必要な正解数 |
|---|---|---|
| 50問(全問) | 100点 | 11問(110点) |
| 45問 | 90点 | 12問(120点) |
| 40問 | 80点 | 13問(130点) |
| 35問 | 70点 | 14問(140点) |
○×で40問正解する人が計算を6問すべて捨てると、残り14問の五肢選択から13問を取る必要があります。ほぼ取りこぼせない計算です。計算を3〜4問取れる状態にしておくと、五肢選択で2〜3問の余裕が生まれます。
先に覚える型と後回しにする型
計算の優先順位は「式の数が少なく、ほかの型と形が似ているもの」から決めます。似た式をまとめて覚えると、1つ覚えるたびに解ける問題が増えるからです。
証券外務員二種 | 計算の優先順位
先に覚える型と後回しにする型
式の覚えやすさと二種での扱いから並べた目安です
| 覚える式の数 | ほかの型との共通点 | 二種での扱い | |
|---|---|---|---|
| 株式の指標・株式分割 最初に固める | ○ 割り算の式が5〜6個 | ○ 財務の比率と同じ形 | ○ 株式業務の中心 |
| 債券の利回り4種 2番目に固める | ○ 基本の式は1つ | ○ 4種とも同じ骨組み | ○ 債券業務の中心 |
| 経過利子・転換社債・投信の分配金 3番目 | △ 型ごとに別の式 | △ 共通点が少ない | ○ 商品業務で出る |
| 信用取引・デリバティブの計算 後回し候補 | × 条件の読み取りが多い | △ 一種向けの論点が多い | △ 二種は基礎知識のみ |
- 二種で信用取引・デリバティブは職務範囲外で、基礎知識が株式業務などの科目に含めて出題されます(日本証券業協会)
- 出題数の多い・少ないは年度や問題で変わります
コツコツ資格
最後の行を後回しにしてよい根拠は、日本証券業協会の説明です。信用取引とデリバティブ取引は二種の職務範囲外で、基礎知識だけが株式業務などに含めて出題されます。用語と仕組みの○×に答えられれば、細かい計算は一種に回してかまいません。
型1 株式の指標は分母で覚える
株式の指標は、すべて「何を何で割るか」の違いだけです。分母を先に覚えると混同が減ります。例として、株価1,500円・1株当たり純利益100円・1株当たり純資産1,000円・1株配当30円の会社で計算します。
| 指標 | 式 | 例の答え |
|---|---|---|
| PER(株価収益率) | 株価 ÷ 1株当たり純利益 | 15倍 |
| PBR(株価純資産倍率) | 株価 ÷ 1株当たり純資産 | 1.5倍 |
| ROE(自己資本利益率) | 純利益 ÷ 自己資本 × 100 | 10% |
| 配当利回り | 1株配当 ÷ 株価 × 100 | 2% |
| 配当性向 | 1株配当 ÷ 1株当たり純利益 × 100 | 30% |
ROEは「1株当たり純利益 ÷ 1株当たり純資産」でも同じ答えになります。PBR ÷ PER × 100 でも10%です。3つの指標がつながっていると分かれば、1つ忘れても残り2つから逆算できます。
株式分割の理論価格もここで覚えます。式は「権利付き最終日の株価 ÷ 分割の比率」です。1株を1.5株に分ける場合、株価900円なら理論価格は600円になります。
型2 債券の利回りは骨組み1つ
債券の利回り4種は、同じ骨組みに数字を入れ替えるだけで解けます。骨組みは「1年あたりの利息 + 1年あたりの値上がり分」を「買った値段」で割る形です。
| 利回り | 式(すべて × 100) | 例の答え |
|---|---|---|
| 直接利回り | 表面利率 ÷ 購入価格 | 約1.02% |
| 最終利回り | (表面利率 + (100 − 購入価格)÷ 残存年数)÷ 購入価格 | 約1.53% |
| 所有期間利回り | (表面利率 + (売却価格 − 購入価格)÷ 所有期間)÷ 購入価格 | 約0.69% |
| 応募者利回り | (表面利率 + (100 − 発行価格)÷ 償還期限)÷ 発行価格 | 約0.90% |
例の数字は次のとおりです。直接利回りと最終利回りは、表面利率1.0%・購入価格98円・残存4年です。所有期間利回りは、表面利率1.2%で101円で買い、2年後に100円で売った場合です。応募者利回りは、表面利率0.8%・発行価格99.5円・償還期限5年で計算しました。
4種の違いは「値上がり分をどの値段で計算するか」だけです。最終利回りは100円で償還、所有期間利回りは売った値段、応募者利回りは発行価格から100円まで、と覚えます。所有期間利回りの例のように、買った値段より安く売ると値上がり分がマイナスになる点も確かめておきます。
答えの端数処理(小数第何位で切り捨てるか)は、問題文の指示に従ってください。問題集の解説でも、指示どおりに処理する練習をします。
型3 経過利子・転換社債・投信の分配金
3番目のグループは、型ごとに式が違います。株式と債券の型で点が取れるようになってから手をつけます。
経過利子は、前回の利払日から受渡日までの利息を、買い手が売り手に払う金額です。式は「額面 × 表面利率 × 経過日数 ÷ 365」です。額面100万円・表面利率1.2%・経過日数73日なら、2,400円になります。経過日数の数え方は問題集の解説で確かめ、自分で数える練習を1回はしておきます。
**転換社債(転換社債型新株予約権付社債)**は、パリティ価格と乖離率の2つを覚えます。
- パリティ価格 = 株価 ÷ 転換価額 × 100
- 乖離率 = (転換社債の価格 − パリティ価格)÷ パリティ価格 × 100
- 例:株価1,200円・転換価額1,000円ならパリティ価格は120円、転換社債の価格が126円なら乖離率は5%
投資信託の分配金は、個別元本と比べて課税される部分を分けます。個別元本10,000円の人が、分配前の基準価額10,300円で500円の分配を受けた例で見ます。
| 分ける部分 | 計算 | 税金 |
|---|---|---|
| 普通分配金 | 10,300円 − 10,000円 = 300円 | 課税 |
| 元本払戻金(特別分配金) | 500円 − 300円 = 200円 | 非課税 |
| 分配後の個別元本 | 10,000円 − 200円 = 9,800円 | ― |
元本払戻金を受け取ると、その分だけ個別元本が下がります。計算の手順だけでなく、課税と非課税の境目を言葉で説明できるようにしておきます。
財務と税金の計算は式をそのまま暗記
財務諸表と証券税制の計算は、式を暗記すればそのまま解けるものがほとんどです。後回しにせず、すき間時間に式だけ覚えておくと点になります。
- 流動比率 = 流動資産 ÷ 流動負債 × 100(流動資産600・流動負債400なら150%)
- 当座比率 = 当座資産 ÷ 流動負債 × 100
- 自己資本比率 = 自己資本 ÷ 総資本 × 100
上場株式の譲渡益にかかる税率は、国税庁によると所得税15%と住民税5%です。所得税には復興特別所得税(所得税額の2.1%)が加わるため、合計は20.315%になります。譲渡益10万円なら、税額は20,315円です。税率は制度改正で変わることがあるため、テキストは最新年度版を使ってください。
計算が苦手な人の3週間の練習手順
計算は「読んで分かる」と「本番で解ける」の間に差があります。式を覚えた後、同じ型を数日あけて解き直すと定着します。平日1時間、休日3時間ほど取れる社会人を想定した手順です。
| 期間 | やること |
|---|---|
| 1週目 | 型1(株式の指標・株式分割)と財務の比率の式を書き出し、問題集の該当問題を1日5問解く |
| 2週目 | 型2(債券の利回り4種)を骨組みから解く。1週目の型1を1日2問だけ解き直す |
| 3週目 | 型3(経過利子・転換社債・分配金)を解く。模擬試験で計算を何問取れたか数える |
3週目の模擬試験で計算が半分取れていれば、残りは○×の精度を上げるほうが得点の伸びは速くなります。 計算が2問以下なら、型1と型2に戻って解き直してください。
試験当日は、計算問題に1問あたり何分使うかを先に決めておきます。2時間で70問なので、1問の平均は2分弱です。式を思い出せない問題は印をつけて後に回し、○×を先に終わらせると時間切れを防げます。
よくある質問
計算問題は何問出ますか
日本証券業協会は科目ごとの出題数を公開していません。対策講座の解説では5〜8問程度とされますが、年度や問題によって変わります。問題数よりも「1問10点」という配点で重さを考えてください。
五肢択二とは何ですか
5つの選択肢から正しいものを2つ選ぶ形式です。公式の配点では、2つのうち1つ合っていれば5点が入ります。計算が苦手でも、選択肢を2つまで絞る練習をすると部分点を拾えます。
落ちたらいつ受け直せますか
受験日から30日を経過する日までは再受験できません。日付の数え方と立て直し方は「証券外務員二種に落ちた|再受験はいつから?正解率別の対策」にまとめています。
独学で計算が進まないときの選択肢
問題集の解説を読んでも式の意味がつかめない人は、外務員試験に対応したeラーニングで解説を見る方法があります。計算問題の解き方を、問題演習と一緒に確認できます。
向くのは、会社から受験期限を指定されていて、計算でつまずく時間を減らしたい人です。反対に、問題集の解説で式を追えている人には、追加の教材は要りません。費用がかかるため、講座の内容を確かめてから選んでください。
まとめ|捨てるのは信用取引とデリバティブの細部だけ
証券外務員二種の計算問題は1問10点の五肢選択で出るため、全部捨てると合格点の210点に届きにくくなります。先に覚えるのは、株式の指標と債券の利回りです。信用取引とデリバティブの細かい計算は、二種では後回しにしてかまいません。
今日やることは1つです。PER・PBR・ROEの3つの式を紙に書き、問題集の株式指標の問題を3問解いてください。
あわせて読みたい
参考にした情報
- 日本証券業協会「外務員資格試験」(最終確認日:2026-10-21)
- 国税庁「No.1463 株式等を譲渡したときの課税(申告分離課税)」(最終確認日:2026-10-21)
※本記事は情報提供を目的としたもので、試験の合格や学習の成果を保証するものではありません。試験制度・料金は変更される場合があるため、受験前に必ず公式サイトでご確認ください。