司法書士は働きながら独学で狙える?科目の順番と時間の作り方
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司法書士は、不動産の登記や会社の設立、相続の手続きなどを扱う国家資格です。難関資格として知られる一方で、受験資格に制限がなく誰でも挑戦できるため、「働きながら独学で狙えないだろうか」と考える社会人は少なくありません。ただ、いざ始めようとすると「11科目もあるけれど、どの順番で手をつければいいのか」「仕事をしながら本当に時間を確保できるのか」で必ず立ち止まります。この記事では、独学で挑む場合の科目の順番と時間の作り方を中心に、判断材料を正直に整理します。
結論:不可能ではないが、独学は少数派という前提で計画する
先に率直な結論から書きます。司法書士試験を働きながら独学で合格することは、不可能ではありません。ただし、合格者に占める独学者の割合は小さく、多くの合格者が予備校や通信講座を利用しているというのが実態に近い言い方です。合格率は例年5%前後で、決してやさしい試験ではありません(後述の基本情報を参照)。
そのため、この記事では「独学でも受かる」と背中を強く押すのではなく、独学で進めてみて、つまずいたら講座に切り替える判断ができる状態を作ることをおすすめします。まずは科目の順番と時間の作り方を固め、半年ほど走ってみて手応えを確かめる、という進め方が現実的です。
試験の基本情報(最終確認日:2026-07-14)
- 実施機関:法務省
- 受験資格:制限なし(年齢・学歴を問わず受験できる)
- 試験日程:筆記試験は例年7月上旬(令和8年度=2026年度の筆記試験は7月5日に実施済み。口述試験は10月13日の予定)。次年度の日程は例年公式で公表されるため、最新は必ず法務省の公式サイトでご確認ください
- 受験手数料:8,000円(収入印紙での納付。現金やコンビニ払いは不可)
- 出題形式:筆記は五肢択一式(マークシート)が70問(午前35問・午後35問)と、記述式が2問
- 合格率:直近の令和7年度(2025年度)はおよそ5.2%。例年5%前後で推移しています
試験制度・日程・受験料・合格基準は変更される場合があります。出願前に必ず法務省の公式サイトで最新情報をご確認ください。
11科目を学ぶ順番の考え方
司法書士試験は全部で11科目あります。すべてを均等に進めようとすると挫折しやすいため、出題数の多い「主要4科目」から固めるのが基本です。
- 主要4科目:民法/不動産登記法/商法・会社法/商業登記法
- マイナー科目:民事訴訟法/民事保全法/民事執行法/司法書士法/供託法/憲法/刑法
一般に推奨される学習順は、次のような流れです。
- 民法(すべての土台。ここが弱いと後の登記法が理解できない)
- 不動産登記法(民法とセットで学ぶと理解が進む)
- 商法・会社法
- 商業登記法(会社法とセットで学ぶ)
- 民事訴訟法・民事保全法・民事執行法(手続き系をまとめて)
- 供託法・司法書士法
- 憲法・刑法(比較的あとでよいとされることが多い)
ポイントは、「民法→不動産登記法」「会社法→商業登記法」を必ずセットで進めることです。登記法は実体法(民法・会社法)の理解が前提になるため、実体法を飛ばして登記法だけ暗記しようとすると、応用問題でつまずきやすくなります。
つまずきやすいのは「記述式」
択一70問に加えて、不動産登記と商業登記の記述式が2問出ます。ここは知識だけでなく、答案の書き方に慣れる練習が別途必要で、独学者が最も苦労するところの一つとされています。択一の学習がある程度進んだら、早めに記述式の演習も並行して始めるのが安全です。
働きながらの時間の作り方
司法書士試験は、一般に合格までの勉強時間の目安が3,000時間ほどとされることが多い試験です(あくまで目安で、人により大きく差があります)。働きながらこの時間を確保するには、逆算した時間管理が欠かせません。
たとえば1日3時間ペースで進めた場合、単純計算で3,000時間には2〜3年かかる想定になります。1年での合格を狙うと1日8時間前後が必要になり、フルタイムで働きながらでは相当に厳しい水準です。「働きながらなら複数年計画が基本」と最初から腹をくくっておくほうが、途中で息切れしにくくなります。
現実的な時間の作り方の例です。
- 平日:通勤や昼休みのスキマ時間で択一の過去問・暗記(1〜2時間)+帰宅後に1〜2時間
- 休日:まとまった時間で新しい科目のインプットや記述式の演習(合計6〜8時間)
- 朝と夜で役割を分ける:頭が働く朝は理解が必要な新論点に、疲れの出やすい夜は過去問の復習や暗記に充てるとメリハリがつきます
| 平日の使い方の例 | 想定時間 |
|---|---|
| 通勤・昼休みのスキマ学習(択一過去問・暗記) | 1〜2時間 |
| 帰宅後のインプット・演習 | 1〜2時間 |
| 休日のまとまった学習(新論点・記述式) | 1日6〜8時間 |
このペースを守れるかどうかが、独学継続の分かれ目になります。逆に、平日の時間がどうしても取れない働き方の人は、独学より講座のカリキュラムに乗ったほうが遠回りを避けやすい、という判断もありえます。
独学と通信講座、どちらが向くか
独学と通信講座は、費用と挫折リスクのトレードオフです。どちらが優れているという話ではなく、自分の状況で選ぶものです。
司法書士 | 学習スタイルの選び方
独学と通信講座の向き・不向き
費用の安さと、挫折しにくさは両立しにくい前提で選びます
| 費用 | 挫折しにくさ | 記述式対策 | |
|---|---|---|---|
| 独学 テキスト・過去問中心 | ○ 数万円で始められる | × 自己管理に依存し中断しやすい | △ 書き方は自力で習得 |
| 通信講座 カリキュラム・添削あり | × 十数万円〜が目安 | ○ 進度管理・質問で続けやすい | ○ 添削で答案を鍛えやすい |
- ※費用・サービス内容は各社で異なります。最新は各講座の公式でご確認ください
- ※どちらでも合格者はいます。合否は最終的に学習量と継続で決まります
コツコツ資格
費用を最優先するなら独学、途中で挫折するリスクを下げたい・記述式に不安があるなら通信講座、というのが大まかな目安です。特に司法書士は学習期間が長く、モチベーションの維持が最大の敵になります。「独学で半年やってみて、記述式や会社法で行き詰まったら講座に切り替える」という段階的な判断もおすすめです。
難関資格の通信講座を検討する場合、司法書士・行政書士・土地家屋調査士などを扱うサービスがあります。まずは資料請求で費用とカリキュラムを比べてみたい人は、こちらを参考にしてください。
広告 / PR 難関資格試験の通信講座ならアガルートアカデミーよくある質問(FAQ)
Q. 法律を学んだことがない完全な初学者でも大丈夫ですか? A. 受験資格に制限はないので挑戦は可能です。ただし民法などの学習量が多いため、初学者ほど期間に余裕を持った複数年計画を立てるのが安全です。
Q. 独学のテキストは何を選べばいいですか? A. 択一用の基本テキストと過去問集、記述式用の演習書を科目ごとにそろえるのが一般的です。改訂が入るため、必ず最新版を選んでください。
Q. 1年で合格した人もいると聞きますが本当ですか? A. 短期合格者は存在しますが、多くは学習に専念できる環境の人です。働きながらの場合は例外的なケースと考え、自分の生活時間で計画するのが現実的です。
Q. 択一と記述式、どちらを先に固めるべきですか? A. まず択一の知識を土台として作り、ある程度進んだ段階で記述式の演習を並行して始めるのがおすすめです。記述式は書き方の練習に時間がかかるため、後回しにしすぎないよう注意してください。
まとめ
司法書士試験は、働きながら独学で狙うこと自体は可能ですが、合格率5%前後の難関で、独学合格者は少数派という前提で計画を立てるのが現実的です。まずは**「民法→不動産登記法」「会社法→商業登記法」をセットで進める科目の順番**を押さえ、平日と休日で役割を分けた時間の作り方を固めましょう。そのうえで半年ほど走ってみて、記述式や会社法で行き詰まったら通信講座に切り替える、という段階的な判断ができると、遠回りを避けやすくなります。長い戦いになる資格だからこそ、続けられる仕組みを最初に作ることが何より大切です。
※本記事は情報提供を目的としたもので、試験の合格や学習の成果を保証するものではありません。試験制度・料金は変更される場合があるため、受験前に必ず公式サイトでご確認ください。
あわせて読みたい
参考にした情報
- 法務省「司法書士試験」公式ページ
- 各資格予備校・司法書士試験コラム(試験日程・科目・勉強時間の目安)