行政書士の記述式が苦手な人へ|独学でも得点する対策法
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「択一はそこそこ取れるのに、記述式になると手が止まる」——行政書士試験を独学で目指す人の多くがつまずくのが、この40字前後で書かせる記述式です。3問しか出ないのに配点は60点。ここを空欄で出すと合格がぐっと遠のく一方、対策のしかたを間違えると時間だけ溶けていきます。
この記事では、記述式が苦手な人が独学でも「取りこぼさない」ための考え方と勉強の順番を、事実ベースで整理します。実体験談ではなく、合格者の声や各予備校が公開している対策の共通点をまとめたものです。
先に結論:記述式は「暗記」ではなく「引き出す練習」
記述式が苦手な人ほど、模範解答をまるごと覚えようとして挫折しがちです。合格者の声や各校の解説で共通しているのは、記述式は択一で身につけた知識から「解答に必要なキーワード」を引き出し、それをつなげて40字にまとめる作業だという点です。
つまり、記述式単体で新しく覚えることは多くありません。土台になるのは択一の理解です。ここを飛ばして記述式だけ対策しても伸びにくい、というのが苦手克服の一番のポイントになります。
行政書士試験の記述式の位置づけ(最新の配点)
まず、記述式が試験全体でどれくらい重いのかを正確に押さえましょう。以下は試験団体(一般財団法人 行政書士試験研究センター)が公表している令和7年度の合否判定基準をもとにした配点です。
| 出題形式 | 出題数 | 満点 |
|---|---|---|
| 5肢択一式(法令等) | 40問 | 160点 |
| 多肢選択式(法令等) | 3問 | 24点 |
| 記述式(法令等) | 3問 | 60点 |
| 基礎知識(5肢択一式) | 14問 | 56点 |
| 合計 | — | 300点 |
合格基準は、法令等科目で122点以上・基礎知識科目で24点以上・全体で180点以上(300点満点の6割)の3つをすべて満たすこと、とされています。
ここで注目したいのが、法令等科目244点のうち記述式が60点、およそ4分の1を占めるという事実です。3問だけで60点。1問を白紙で出すと、択一で取り返すのは相当きつくなります。だからこそ「空欄で出さない」ことが独学者の最低ラインになります。
(配点・合格基準・試験日程は年度で変わる場合があります。最終確認日:2026-07-06。受験前に必ず公式でご確認ください。)
記述式が苦手になる3つの原因
苦手には、たいてい次のどれかの原因があります。自分がどれかを見極めると対策が絞れます。
- 択一の理解が浅い:用語を「見たことがある」レベルで止まっていて、自分の言葉で説明できない。
- 書く練習をしていない:頭では分かっているのに、いざ40字にまとめようとすると言葉が出てこない。
- キーワードを意識していない:模範解答を丸暗記しようとして、少し問われ方が変わると対応できない。
苦手な人ほど「もっと記述の問題集を解けば…」と量に走りがちですが、原因が1番(択一の理解不足)なら、記述の問題集を増やしても効果は薄いです。順番が大切です。
独学での記述式対策の順番
ステップ1:まず択一で85%を目指す
各校の解説で共通して語られるのが、記述式に本腰を入れる前に、択一の過去問で正答率85%前後まで固めるという順番です。行政法・民法を中心に、なぜその結論になるのか(条文・要件・効果)を説明できる状態を作ります。この土台があると、記述式は「知っていることを書くだけ」に近づきます。
ステップ2:キーワードで解答を組み立てる
記述式は、模範解答の丸暗記ではなく、問題文が求めている「誰が・何を・どうする(要件・効果)」を示すキーワードを拾い、それを40字前後につなげる練習をします。採点も、キーワードが入っているかを見る形が中心とされています。
具体的には、過去問や予想問題で「この問いに答えるには、どの条文・どのキーワードが必要か」を先に箇条書きにし、それから文章化するクセをつけると安定します。
ステップ3:実際に手で書く
頭の中で組み立てられても、実際に書くと字数オーバーしたり主語が抜けたりします。 最初は模範解答を写経する形でよいので、必ず紙に書く練習を入れましょう。40字は思ったより短く、余計な言葉を削る感覚をつかむことが得点につながります。
ステップ4:対策に時間をかけすぎない
一方で注意点もあります。記述式は採点基準が年度によって変わることもあり、得点が読みにくい分野です。合格者の声でも「記述に時間をかけすぎず、択一を落とさないことを優先した」という趣旨のものが目立ちます。記述式の底上げより、択一の取りこぼしをなくすほうが合格に直結しやすい——これは独学で戦ううえで覚えておきたいバランスです。
独学でつまずきやすいポイント・人を選ぶ点
- 民法・行政法の理解が浅いまま記述に進むと、いつまでも書けません。遠回りに見えても択一の理解に戻るのが近道です。
- 添削してくれる人がいないのが独学の弱点です。自分の答案が「キーワードは入っているが表現がずれている」のか判断しづらいため、模範解答と自分の答案を並べて差分を確認する習慣が要ります。
- 法改正への対応:民法・行政法は改正があり得ます。古い教材のまま覚えると誤りを覚え込むリスクがあるため、最新版の教材で学ぶことが大切です。
こうした「添削がない」「改正フォローが不安」という弱点が気になる人は、記述式の添削や最新の法改正対応がついた通信講座を部分的に使うのも一つの選択肢です。独学のスケジュール管理や記述の書き方に不安がある人には、こうした講座が向いています。
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Q. 記述式は捨ててもいい? おすすめしません。記述式は60点と配点が大きく、ここを丸ごと捨てると180点(6割)の合格ラインに届きにくくなります。満点を狙う必要はありませんが、部分点を拾えるようキーワードだけでも書く姿勢が大切です。
Q. 記述の問題集はいつから始める? 択一の過去問がある程度固まってからで十分間に合う、というのが多くの解説での共通見解です。基礎が固まる前に記述の問題集を回しても、効果が薄くなりがちです。
Q. 独学だけで記述式は伸びる? 伸ばせる人もいますが、答案を客観的に見てもらえない点が壁になります。自己採点に自信が持てない場合は、添削のある講座を部分的に併用する人もいます。
まとめ
行政書士の記述式は、「3問で60点」という配点の重さから、独学者にとって合否を分ける分野です。ただ、やることはシンプルで、①択一で土台を作る→②キーワードで組み立てる→③実際に書く→④かけすぎないの順番を守ること。丸暗記に走らず、知っている知識を引き出す練習だと捉え直すだけで、苦手意識はかなり軽くなります。まずは択一の理解を固めることから、今日一歩を進めてみてください。
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※本記事は情報提供を目的としたもので、試験の合格や学習の成果を保証するものではありません。試験制度・料金は変更される場合があるため、受験前に必ず公式サイトでご確認ください。
参考にした情報
- 一般財団法人 行政書士試験研究センター(合否判定基準・配点)
- 各資格予備校が公開する記述式対策コラム(伊藤塾・LEC・アガルート等)