登録販売者 第3章が覚えられない人の覚え方と時間配分
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テキストの第3章を開いた瞬間、カタカナの成分名がずらりと並んでいて、そっと閉じてしまった。登録販売者の独学でいちばん多いつまずきが、この第3章「主な医薬品とその作用」です。
第1章や第4章は読めば分かるのに、第3章だけは何度読んでも頭に残らない。しかもページ数がいちばん多い。「このまま試験日が来たらどうしよう」と焦る気持ちは、独学の人ほど強いはずです。
この記事では、第3章が覚えられない原因を「覚える順番」と「覚える粒度」の2つに分解し、そこから具体的な覚え方と、残り期間別の時間の配り方までをまとめます。成分の丸暗記に入る前に、5分だけ読んでみてください。
先に結論:第3章は捨てられない。ただし全部を同じ濃さで覚える必要はない
結論から言うと、第3章は「捨てる」という選択肢が取りにくい章です。理由は2つあります。
1つ目は、出題数が飛び抜けて多いこと。登録販売者試験は全120問ですが、そのうち第3章だけで40問を占めます(東京都の令和8年度試験案内で確認・最終確認日:2026-08-30)。全体の3分の1がこの1章から出るので、ここを空白にすると合格ラインに届きません。
2つ目は、章ごとの最低ラインがあること。合格基準について、東京都は「総出題数に対して7割程度の正答の場合であって、各試験項目ごとに一定割合以上の正答のときに合格とします」と説明しています。総合点が届いていても、特定の章だけ極端に低いと合格にならない仕組みです。
ただし、これは「40問ぶん全部を同じ濃さで覚えなければならない」という意味ではありません。第3章は、かぜ薬・解熱鎮痛薬・鎮咳去痰薬・胃腸薬・アレルギー用薬・外皮用薬・漢方や生薬など、性質の違う分野の集まりです。分野ごとに「深く覚える所」と「浅くて済む所」を分けるのが、第3章攻略の中身になります。
第3章の重み:120問中40問という数字を先に体に入れる
数字を把握しないまま暗記に入ると、時間配分を間違えます。まず全体像を確認しておきましょう。
| 試験項目(章) | 出題数 |
|---|---|
| 医薬品に共通する特性と基本的な知識(第1章) | 20問 |
| 人体の働きと医薬品(第2章) | 20問 |
| 主な医薬品とその作用(第3章) | 40問 |
| 薬事に関する法規と制度(第4章) | 20問 |
| 医薬品の適正使用と安全対策(第5章) | 20問 |
| 合計 | 120問 |
(東京都の令和8年度登録販売者試験の案内より。最終確認日:2026-08-30。章の並び順や表記は受験地の案内により多少異なります)
出題の根拠になるのは、厚生労働省の「試験問題の作成に関する手引き」です。令和8年度試験については、令和7年4月作成の手引きが令和8年4月に一部改訂されており、令和8年4月版が基準になります。古い版に対応したテキストや、数年前の過去問解説をそのまま使うと、法規まわりを中心にズレが出ます。中古のテキストを使う場合は、対応している手引きの版を必ず確認してください。
足切りラインは「一定割合」としか公表されていない
ネット上では「各章35%」「いや40%だ」と書かれていますが、公式の案内では各試験項目ごとの下限を「一定割合以上」とだけ表現していることがあります。実務上は3割5分または4割が基準とされることが多く、受験地によって異なるというのが一般的な説明です。
仮に第3章40問で3割5分なら14問、4割なら16問が最低ラインという計算になります。ただしこれは目安であり、自分の受験地の受験案内や過去の合格発表資料で必ず確認してください。細かい割合を気にするより、「第3章で20問前後は取る」という現実的な目標を置くほうが、勉強の設計はしやすくなります。
覚えられない原因は「順番」と「粒度」にある
第3章が頭に入らない人の多くは、記憶力の問題ではなく、進め方の問題です。よくある2つの原因を見ていきます。
原因1:テキストの頭から順番に丸暗記しようとしている
第3章はページ数が多いので、頭から1ページずつ覚えていくと、後半に着く前に前半を忘れます。しかも最初に出てくる「かぜ薬」は、解熱鎮痛成分・抗ヒスタミン成分・鎮咳成分・去痰成分などが全部入った複合的な項目です。いきなり難所から始めて心が折れる、という流れが起きやすい構成になっています。
原因2:成分名を「単語」として覚えようとしている
第3章の対象成分は非常に多く、単語カードのように1つずつ覚えようとすると量に押しつぶされます。しかも試験では、成分名そのものより「その成分がどの働きをするか」「誰に使えないか(禁忌)」「どんな副作用が出るか」を組み合わせて問われます。単語ではなく、働きのグループで束ねて覚えるほうが、出題のされ方に合っています。
言い換えると、第3章は「暗記量が多い章」ではなく「整理してから暗記する章」です。整理せずに暗記量だけ増やすと、覚えた端から崩れていきます。
第3章の覚え方:グループ→語尾→禁忌の3層で積む
ここからが具体的な手順です。3つの層を順番に積み上げます。
第1層:働きのグループで仕分ける
まず、成分を「何をする薬か」でまとめます。解熱鎮痛、鎮咳、去痰、抗ヒスタミン、制酸、健胃、瀉下、止瀉、鎮痙、血管収縮……といった働きのラベルを先に頭に入れ、そこに成分を放り込んでいくイメージです。
このとき、テキストの順番は無視してかまいません。ノートやアプリで「働き別の一覧」を自分で作り直すと、かぜ薬・鼻炎薬・アレルギー薬に同じ成分が何度も出てくることに気づけます。同じ成分が複数の分野に登場するのは第3章の大きな特徴で、これに気づくと覚える総量が体感で減ります。
第2層:語尾の共通点で束ねる
グループ分けができたら、次は成分名の共通点です。第3章のカタカナ成分には、似た語尾を持つものが多くあります。同じ語尾のものを並べて眺めると、名前と働きが結びつきやすくなります。
語呂合わせを使うのも有効ですが、語呂は「覚えた後に思い出すためのフック」であって、理解の代わりにはなりません。働きが分からないまま語呂だけ覚えると、少しひねられた問題で対応できなくなります。第1層の仕分けを飛ばして第2層から入らないでください。
第3層:禁忌・注意事項を成分にひもづける
最後に、「15歳未満には使わない」「妊婦は避ける」「授乳中は注意」「他の薬との併用に注意」といった条件を、成分にくっつけます。ここが得点差のつくところです。
注意点として、同じ「15歳未満」でも、無条件で使えない成分と、特定の条件がそろったときに避ける成分があります。一律のルールとして雑に覚えると、選択肢のわずかな違いで落とします。テキストの但し書きは飛ばさずに読み、条件つきなのか無条件なのかを区別してメモしておきましょう。
登録販売者 | 第3章の進め方
第3章の覚え方3タイプの向き不向き
残り期間と、薬の知識がどれくらいあるかで選び方が変わります
| 進むスピード | 応用問題への強さ | 途中で折れにくいか | |
|---|---|---|---|
| テキストを頭から丸暗記 順番どおりに読む | × 量が多く終わりが見えない | △ 単語止まりになりやすい | × 最初のかぜ薬でつまずきやすい |
| 働きのグループ+語尾で束ねる 自分で並べ替える | ○ 重複に気づき総量が減る | ○ 働きから絞り込める | △ 最初の仕分けに手間がかかる |
| 講義動画で流れをつかんでから暗記 解説を先に入れる | △ 視聴の時間がいる | ○ 理由から入るので崩れにくい | ○ 独学より孤独になりにくい |
- ※どの方法でも、最後は過去問での確認が必要です
- ※効果には個人差があり、どれかが必ず合うとは限りません
コツコツ資格
残り期間別の時間配分:自分の試験日から逆算する
登録販売者試験は都道府県ブロックごとに実施日が違い、同じ年でも受験地によって4か月近い開きがあります。令和8年度で公式に確認できたものを例に挙げると、次のとおりです(最終確認日:2026-08-30)。
- 栃木県:2026年8月26日(水)
- 東京都:2026年9月6日(日)
- 香川県:2026年10月8日(木)
- 沖縄県:2026年12月20日(日)
つまり「登録販売者の勉強法」を検索して出てくるスケジュール例が、そのまま自分に当てはまるとは限りません。以下は残り期間別の考え方です。自分の受験地の日程は、必ず受験地の公式サイトで確認してください。
残り2週間を切っている場合
新しい範囲を広げるのは得策ではありません。第3章は「出題数が多い分野」に絞り、過去問で繰り返し出ている成分と禁忌に時間を集中します。かぜ薬・解熱鎮痛薬・鎮咳去痰薬・胃腸薬・アレルギー用薬あたりは問題数が安定して出やすい領域です。
同時に、第4章(法規)と第1章は短時間で点になりやすいので、直前期はそちらの取りこぼしを潰すほうが総合点は伸びます。第3章だけに全部の時間を注ぐと、他章の足切りリスクが上がります。
残り1〜2か月の場合
第3章に全体の学習時間の半分程度を充て、残りを他の4章に配分するイメージです。進め方としては、1週目で働きのグループ分けを終わらせ、2週目以降は「分野ごとに覚える→その分野の過去問を解く」を短いサイクルで回します。
まとめて覚えてから最後に過去問、という順番にしないこと。分野ごとに問題を解いて、どの粒度で聞かれるかを確かめながら進めるほうが、覚え直しの手間が減ります。
残り3か月以上ある場合
第2章(人体の働きと医薬品)を先に固めてから第3章に入る余裕があります。体の仕組みが分かっていると、「なぜこの成分が効くのか」「なぜこの人には使えないのか」が理由で理解でき、暗記が持ちやすくなります。
この時期にやっておきたいのは、第3章を1周終えることではなく、自分専用の「働き別まとめ」を作り切ることです。まとめが完成していれば、直前期にそれを回すだけで復習が成立します。
つまずきポイントと、独学が向かない人
正直に書くと、第3章の独学がうまくいかないケースもあります。
- 漢方・生薬でつまずく:カタカナ成分をやり切った後に漢方処方名が出てきて、また別の暗記が始まります。ここで力尽きる人が多い分野です。時間を最後に残さず、早めに少しずつ触れておくのが無難です。
- テキストの記述が頭に入らない:文章だけで理解するのが苦手なタイプの人は、第3章のような「理由の説明が多い章」で失速します。
- 勉強時間がぶつ切りになる:仕事の合間に10分ずつしか取れない場合、分厚いテキストを開くこと自体がハードルになります。
一方で、過去問を解いて自分で解説を読み進められる人は、第3章も独学で十分に対応できます。テキストと過去問だけで合格している人は実際に多くいます。まずは市販の教材で進めてみて、2週間やっても第3章がまったく前に進まないときに、外部の講座を検討する、という順番で構いません。
独学で止まってしまったときの選択肢
スキマ時間で第3章を回したい人には、スマホで講義と問題演習ができるオンライン講座という選択肢があります。オンスク.JPは月額制のオンライン資格学習サービスで、登録販売者の講座も用意されています。公式サイトでは70講座以上を学べること、無料でお試しできることが案内されています。
講座を使う場合でも、覚える中身は変わりません。講義は「理解の入口」を作るもので、最後は自分で過去問を回す時間が必要です。ここを講座に丸投げすると、費用をかけた割に伸びません。
よくある質問(FAQ)
Q. 第3章は捨てて、他の章で7割を取れませんか
現実的ではありません。第3章は120問中40問と最大の比重があり、加えて各試験項目ごとに一定割合以上の正答が求められる仕組みがあるためです。第3章を空白にすると、総合点と章ごとの条件の両方で厳しくなります。
Q. 語呂合わせだけで乗り切れますか
語呂は思い出すためのフックとしては有効ですが、それだけで対応するのは難しいと考えたほうが安全です。試験では成分名と働き・副作用・禁忌を組み合わせて問われるため、働きの理解とセットにしてください。
Q. 第3章はどれくらいの勉強時間が必要ですか
一般には、登録販売者全体で数百時間程度が目安とされることが多く、そのうち第3章が最も時間を要すると説明されます。ただし薬や生物の知識がある人とゼロから始める人では差が大きく、個人差の大きい部分です。時間数を目標にするより、「働き別まとめが完成したか」「分野ごとの過去問で7割取れるか」で進み具合を測るほうが確実です。
Q. 古いテキストが家にあります。使えますか
出題の根拠になる手引きは改訂されます。令和8年度試験は令和8年4月版の手引きが基準で、令和7年4月版から一部改訂されています。改訂は法規まわりに関わることが多いため、古い版のテキストを使う場合は、少なくとも第4章については最新情報で補ってください。
Q. 落ちたら次はいつ受けられますか
登録販売者試験は都道府県ブロックごとに実施日が異なります。受験資格の制限がないため、他の受験地の試験を受けるという選択肢もありますが、申込期間・受験地の要件・受験料は受験地ごとに異なります。必ずその都道府県の公式案内で確認してください。
まとめ:第3章は「整理してから覚える」章
第3章が覚えられないのは、頭が悪いからではなく、量の多いものを整理せずに詰め込もうとしているからです。順番を変えるだけで、体感の負担はかなり変わります。
- 第3章は120問中40問。捨てるという選択は取りにくい
- 合格には総得点だけでなく、各試験項目ごとの一定割合以上の正答も必要
- テキストの順ではなく、働きのグループで仕分けてから覚える
- 語尾の共通点で束ね、最後に禁忌・注意事項をひもづける
- 試験日は受験地により8月下旬から12月まで幅がある。自分の日程から逆算する
今日できるのは、テキストを1ページ多く読むことではなく、働き別の一覧を1枚作り始めることです。そこまでいけば、あとは埋めていくだけになります。
あわせて読みたい
参考にした情報
- 厚生労働省「登録販売者試験問題の作成に関する手引き(令和8年4月)」
- 東京都保健医療局「令和8年度登録販売者試験について」「令和8年度登録販売者試験Q&A」
- 香川県「令和8年度登録販売者試験の公示」、沖縄県「令和8年度沖縄県登録販売者試験」、栃木県「令和8年度登録販売者試験のお知らせ」
※本記事は情報提供を目的としたもので、試験の合格や学習の成果を保証するものではありません。試験制度・料金は変更される場合があるため、受験前に必ず公式サイトでご確認ください。