基本情報技術者試験を文系が独学合格する勉強法
「文系だけど基本情報技術者試験を取りたい」
「ITパスポートは受かったけど、基本情報はどう違うの?」
「プログラミングが苦手でも合格できる?」
こんな疑問を持っている方に向けて書きました。
結論から言えば、文系でも独学で合格できます。 ただし、ITパスポートとは難易度も求められる知識量もかなり違うため、正しい準備が欠かせません。特に科目Bのアルゴリズム問題は、文系の方が最もつまずきやすいポイントです。
この記事では、試験の基本情報・科目別の攻略法・4〜6ヶ月のスケジュール例・ITパスポートとの違いを具体的に解説します。
基本情報技術者試験とはどんな試験か
基本情報技術者試験(FE試験)は、IPA(情報処理推進機構)が実施する情報処理技術者試験のひとつです。ITエンジニアとして必要な「情報技術全般の知識」と「プログラムを読み解く力」を測る試験で、IT業界の登竜門として位置づけられています。
IT企業への就職・転職、社内のIT担当として活躍したい方、エンジニアへのキャリアチェンジを目指す方が多く受験しています。
ITパスポートとの違い
基本情報技術者試験に挑戦する前に、多くの方がITパスポートを取得しています(ITパスポートの勉強法はこちら)。
| 項目 | ITパスポート | 基本情報技術者試験 |
|---|---|---|
| 位置づけ | IT利活用の知識(利用者向け) | IT技術・開発の知識(技術者向け) |
| 難易度 | 比較的やさしい | やや難しい |
| 合格率の目安 | 約50%前後(変動あり) | 約30〜40%台(変動あり) |
| プログラミング | なし | 必須(科目B) |
| 主な受験者 | 全職種・学生 | IT職種・エンジニア志望 |
基本情報技術者試験は、ITパスポートと比べてプログラミング・アルゴリズムの問題が加わる点が最大の違いです。
試験の基本データ
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 主催 | IPA(独立行政法人 情報処理推進機構) |
| 試験形式 | CBT方式(随時受験可能) |
| 受験料 | 7,500円(税込)※最新は公式確認 |
| 科目A | 多肢選択式60問・90分 |
| 科目B | 多肢選択式20問・100分 |
| 合格基準 | 両科目とも600点以上(1000点満点・IRT方式) |
| 受験資格 | なし |
2026〜2027年の制度変更に注意
2026年時点のCBT方式の基本情報技術者試験は、システム移行のため2027年1月以降に一時休止が予定されています(延期が繰り返されているため、最新情報はIPA公式サイトでご確認ください)。現行のCBT方式で受験できるうちに挑戦しておきたいという方は、早めにスケジュールを立てることをおすすめします。
文系でも合格できる? 正直な難易度評価
合格率は一般に30〜40%台とされることが多く(変動あり)、ITパスポートよりも明らかに難しい試験です。ただし、文系だから合格できない、というわけではありません。
文系が有利な部分
科目Aの「マネジメント・ストラテジ系」の問題(プロジェクト管理・経営戦略・法令など)は、文系の素養が生きるエリアです。ITパスポートで学んだ知識も活かせます。
文系が苦労する部分
科目Bのアルゴリズム問題は、プログラムの流れを読み解く力が求められます。文系・非IT職の方には最初とっつきにくく感じることが多いです。ただし、プログラミング経験は「あると有利」ですが、ゼロでも合格している人は多くいます。繰り返し演習で慣れることが対策の核です。
独学が向いている人
- 毎日1〜2時間の勉強時間を確保できる
- アルゴリズムの演習を根気よく続けられる
- 4〜6ヶ月のスケジュールを組める
勉強時間の目安
| 出発点 | 勉強時間の目安 | 期間の目安(1日1.5時間の場合) |
|---|---|---|
| ITパスポート合格者 | 100〜200時間程度 | 3〜4ヶ月 |
| IT知識がほぼない文系初学者 | 200〜400時間程度 | 4〜6ヶ月以上 |
| 情報系学部・プログラミング経験あり | 50〜150時間程度 | 1〜3ヶ月 |
勉強時間はあくまで目安で、個人差が大きいです。特にアルゴリズム習得にかかる時間は人によって差が出ます。余裕を持ったスケジュールを組むことを強くおすすめします。
科目別の攻略ポイント
科目A:情報技術全般の知識(60問・90分)
科目Aは、次の3つの大区分から出題されます。
テクノロジ系(約50%)
- コンピュータの仕組み、ネットワーク、データベース、セキュリティなど
- ITパスポートより深い知識が求められる
マネジメント系(約20%)
- プロジェクト管理、サービスマネジメント
ストラテジ系(約30%)
- 経営戦略、法令・倫理など
文系の方はストラテジ系・マネジメント系から得点を稼ぎ、テクノロジ系を補強するアプローチが取りやすいです。
科目Aの攻略法
過去問と公式の「公開問題」を繰り返し解くことが王道です。IPAが公式サイトで問題を公開しているため、無料で練習できます。まず過去問を解いて「何がよく出るか」を把握してからテキストを読むと効率的です。
科目B:アルゴリズムとセキュリティ(20問・100分)
科目Bは2023年4月の改定で、アルゴリズム(疑似言語)とセキュリティの問題が中心になりました。
- アルゴリズム問題(大部分):疑似言語で書かれたプログラムを読み解く
- セキュリティ問題(一部):実務に即したセキュリティシナリオ
文系の方が科目Bでやるべきこと
- まず「疑似言語の読み方」のルールを覚える
- 基本的なアルゴリズム(繰り返し・条件分岐・配列の操作)のパターンを理解する
- 問題集で繰り返し演習する
「プログラミングが苦手だから無理」と思っても、諦める前に問題集を数十問解いてみてください。アルゴリズム問題はパターンがある程度決まっており、慣れれば読めるようになります。
4〜6ヶ月のスケジュール例(1日1〜1.5時間)
ITパスポート合格後に基本情報技術者試験を目指す方を想定した、4〜6ヶ月の学習計画例です。
1〜2ヶ月目:科目Aのインプット
- テキストで科目Aの全体像をつかむ
- テクノロジ系(コンピュータ・ネットワーク・データベース)を重点的に学ぶ
- 毎週、科目Aの過去問を20〜30問解く
- ITパスポートで学んだ知識と重なる部分は確認程度でOK
3〜4ヶ月目:科目Bのアルゴリズム慣らし
- 疑似言語の文法・読み方を覚える
- 基本的なアルゴリズム(繰り返し・条件分岐・配列処理)を理解
- 問題集で毎日3〜5問のアルゴリズム問題を解く
- 間違えた問題は「どこで論理が外れたか」を必ず確認する
5ヶ月目:科目AとBの並行演習
- 科目Aの過去問を本番形式(60問・90分)で解く
- 科目Bを引き続き演習・弱点補強
- 苦手なテクノロジ系テーマを集中的に復習
6ヶ月目(または試験直前1ヶ月):仕上げ
- 模擬試験を科目A・Bそれぞれ本番形式で解く
- スコアを確認し、600点に届いていない科目を補強
- アルゴリズム問題は試験直前まで毎日解く習慣を維持
つまずきポイントと対策
1. アルゴリズム問題が読めない
最初にアルゴリズムの問題を見て「意味がわからない」と感じる方は多いです。
対策: 最初から全問正解を目指さず、「まず変数の変化を1行ずつ追う練習」から始める。1問を丁寧に解くほうが、数問を雑に解くより力がつきます。
2. 科目Aに時間をかけすぎる
科目Aは範囲が広く、テキストを全部読もうとすると時間がかかりすぎます。
対策: まず過去問を解いて「何がよく出るか」を確認してからテキストに戻る。出題頻度の高いテーマから優先的に押さえましょう。
3. モチベーションが続かない
4〜6ヶ月という長期の学習は、中だるみしやすいです。
対策: CBT試験の申し込み日を先に決める。試験日が具体的に決まると、逆算して学習計画が立てやすく、ゴールが明確になります。
4. テキスト選びに迷う
基本情報技術者試験の参考書は種類が多く、選びすぎて勉強が始まらないケースがあります。
対策: 書店で実際に手に取り「アルゴリズムの解説がわかりやすいか」を基準に1冊に絞る。最初から複数買いはしない。
独学が不安な方へ:通信講座という選択肢
アルゴリズム問題を独学でマスターするのに限界を感じたり、スケジュール管理が難しい場合は、通信講座の活用も選択肢のひとつです。スタディングなどの通信講座は、基本情報技術者試験の対策コースを提供しています。
よくある質問(FAQ)
Q. ITパスポートを取ってから受けるべきですか?
必須ではありませんが、ITパスポートで学ぶ基礎知識は基本情報の科目Aに直接役立ちます。ITに馴染みのない方はITパスポートから始めると学習がスムーズです。
Q. プログラミング経験がなくても合格できますか?
合格している方はいます。ただし、科目Bのアルゴリズム問題には根気が必要です。演習量を積むことで慣れる試験なので、苦手意識があっても諦めずに取り組んでみてください。
Q. 試験はいつでも受けられますか?
現在はCBT方式で随時受験可能です。ただし2027年1月以降に一時休止が予定されています(延期の可能性あり)。詳細はIPA公式サイトでご確認ください。
Q. 何点取れば合格ですか?
科目A・科目Bともに1000点満点中600点以上で合格です(IRT方式のため、単純な正答率とは異なります)。
Q. 基本情報の次は応用情報を目指すべきですか?
エンジニアを目指す方は応用情報技術者試験、セキュリティを専門にしたい方は情報セキュリティマネジメント試験という流れが一般的です。自分のキャリアの方向性に合わせて選びましょう。
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まとめ:文系でも積み重ねれば届く資格
基本情報技術者試験は、プログラミング未経験の文系でも合格を目指せる試験です。ただし、ITパスポートよりも格段に深い知識と演習量が必要です。
合格の鍵は科目Bのアルゴリズム演習を早めに始めること。最初はとっつきにくく感じても、解いた分だけ読める問題が増えていきます。
まずCBT試験の申し込み日を決めて、勉強をスタートさせましょう。
※本記事は情報提供を目的としたもので、試験の合格や学習の成果を保証するものではありません。試験制度・料金は変更される場合があるため、受験前に必ず公式サイトでご確認ください。
参考にした情報
- 情報セキュリティマネジメント試験、基本情報技術者試験(CBT方式) | IPA https://www.ipa.go.jp/shiken/mousikomi/cbt_sg_fe.html
- CBT方式で実施する各試験における2026年5月以降の実施について | IPA https://www.ipa.go.jp/shiken/2026/cbt-202605-jisshi.html
- 基本情報技術者試験の勉強時間は?独学・働きながら合格へ | 自習室KAKOI